心がやすらぐ 神棚スタイル
自宅へ「神棚」をお祀りする入門書。カジュアルな付き合い方を提案していて興味深いです
自宅に「神棚」をお祀りする際の注意事などが記された一冊。こんな本もあるんですね。神棚をまつるための基礎知識(神具の配置・方角・場所・お札の選び方・お供え物など)が分かりやすく図説されています。どこでお札をいただくか、どこで神棚を購入するか、日々どんなお参りをすればいいのかなど、丁寧に解説してあります。
説明文:「日々清々しく生きるための“神棚生活"スタート・ブック。日本人なら知っておきたい基本知識や作法からしあわせを引き寄せる神様との向き合い方まで。究極の自宅内パワースポット“私だけの神棚"入門書。」
最近では、スピリチュアル的なもの、パワースポット的なものに興味を持たれる方も増えていて、雑誌などでも神社の特集が組まれることが多くなりました。そんな流れもあってか、自宅に神棚をしつらえる方も増加していくのかもしれませんね。
なお、本書では決して「神棚=運気アップ」と煽るような内容ではありません。最後に一問一答のコーナーがあり、その中で「宝くじを神棚に置くと、当たりやすくなりますか?」なんて質問も掲載されていますが、回答はもちろんノーで、「一攫千金を願うなど、努力しない人を神様は応援しません」とのこと。とてもまともな意見ですね(笑)
この本の面白いところは、色んな方の神棚を紹介する第2章「神棚、拝見します」です。料理研究家さん、人力車の車夫さん、イラストレーターさんなどがご自宅にしつらえた神棚を拝見すると、人それぞれのスタイルがあってちょっと驚きます。ちゃんとした神棚を購入している方だけではなく、本棚の一角だったり玄関の靴箱の上だったりしますし、隣にフィギュアがあったり、招き猫がいたり、アンティークの花瓶とアロマキャンドルを供えてあったりします。お供えやお詣りも毎日ではないという方も少なくありません。
第3章の「旧家の神棚を訪ねて~伊勢河崎町暮らし体験記」も興味深いですね。伊勢神宮のお膝元の旧家ではどんな神棚を祀っているのかを見て歩き、どのような付き合い方をしているのか伺っています。やや写真が小さくて見づらいのが残念ですが、長い間しっかりと崇められたことが伝わってくるような立派な神棚があったりして、なかなか楽しいですね。
我が家にも神棚はしつらえていません。実家にはちゃんと神棚もあり、節目ごとにお詣りしてきましたが、何となく仏壇と一対のようなイメージがあったので、神棚単独でお祀りするなんて発想はまったくありませんでした。神社でいただいたお札などは見えやすい場所に簡単に置いてありますが、簡易式の神棚にお祀りするという方法もあるんだと気づいて、ちょっとしたカルチャーショックでした(笑)
なお、調べてみたら、「なぜ儲かる会社には神棚があるのか」なんていう本もあるんですね。神棚をしつらえることで社員の意識も変わって…というアングルからの著作のようですから、興味がある方はどうぞ。