2013-01-30
河鍋暁斎―奇想の天才絵師 (別冊太陽)
超絶技巧を持つ奇想の天才絵師。狩野派から浮世絵までなんでもありなすごい人!
幕末から明治にかけて活躍した「河鍋暁斎(かわなべきょうさい)」(Wikipedia)の作品と、その生涯を分かりやすく解説した一冊。160点ほどの作品を収録し、作品や人となりを適度に解説していく、別冊太陽らしいとても豪華な仕上がりです。
河鍋暁斎は、まさに「なんでもあり」な奇想の天才絵師。最初は浮世絵師・歌川国芳に学び、後に狩野派へ。さらには他の流派や洋画的な手法も取り入れて、ありとあらゆる画風に取り組んだ方です。私のような素人目にも、その技術が優れているのは明らかですし、古典的な日本画から浮世絵、思わず笑ってしまうような戯画、地獄絵・美人画・宗教画・春画など、何でもこなしているんですね。
明治時代のお雇い外国人で、鹿鳴館などを設計した「ジョサイア・コンドル」(Wikipedia)もその門弟だったというのですから、当時から高い評価を受けていた方だというのは間違いありません。
この時代に「奇想の画家」と呼ばれる方は何名も存在しますが、その中でも特に風変わりで、特に面白い作品を遺しているかもしれません。現代のイラストレーターに通ずるような軽やかさが感じられます。興味がある方は、まずは図書館などで作品集を探してみてください。あまりの多彩さに驚かれると思います!