2013-01-11
もっと知りたい酒井抱一―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
江戸琳派の祖となった酒井抱一の作品を分かりやすく。弟子の鈴木其一の作品も掲載
江戸時代後期に生きた、絵師であり俳人でもある「酒井抱一(さかい ほういつ)」(Wikipedia・画像検索)について、初心者に分かりやすく解説された一冊。尾形光琳を崇拝し、琳派の雅な画風をさらに洒脱に進化させ、江戸琳派の祖となった人物です。
私は美術史についてはほぼ知識がないので、その作品や画風についてほぼ知らないまま手にとってみましたが、イメージにある「これぞ琳派」という作品もあったりするんですね。もうちょっと時代を遡って琳派の系譜をだどってから観た方が楽しめたかもしれません。
名門武家である酒井家に生まれ育ち、若いころは遊郭に通って風雅をも介し…と、その生い立ちを見ていると、(剣の腕が立つかは分かりませんが)時代劇の主人公のよう。そんな男が後に出家し、私淑していた尾形光琳の百回忌を開催するなど、プロデューサーのような活動も行っています。数多くの門弟を抱え、後に江戸琳派の祖として崇められるようになるのですから、この人の人生は面白いですね。
その作品は、いかにも琳派なものから、仏画や大和絵まで多種多彩。「波図屏風」「紅白梅図屏風」などの銀地の作品が見事ですね!本書では、最後の1章分を弟子の中でも最も高名な「鈴木其一(すずききいつ)」(Wikipedia・画像検索)について割いていて、両者の作品を比較できるのも面白いですね。
いずれにしても、まだ酒井抱一のすごさと良さを理解できたとは言い難いレベルですので、また後で読みなおしてみたいと思います。