2012-11-15

美を伝える―京都国立博物館文化財保存修理所の現場から

彫刻・屏風・掛幅など、文化財修復の仕事を解説。分かりやすくて面白い良書です!

日本有数の博物館「京都国立博物館」の文化財の保存修理の仕事ぶりが分かる一冊。画像豊富な大型本で、130ページ弱ですから、初心者の方でも気軽にサッと読めます。しかし、内容はとても興味深く、博物館へ定期的に通っているような方にはぜひ読んでみて欲しいですね。

文化財の修復と一言にいっても、その内容は様々です。彫刻・屏風・掛幅・障壁画・巻子・古文書・織物など、ありとあらゆるタイプの全てを取り扱いますし、模造・模写も重要なお仕事です。それらの手法を分かりやすく解説し、修復前と後の違いを見せたり、Q&Aや基礎用語の解説なども交えて、博物館の裏側での作業内容が伝わってくるようになっています。

あの京博ですから、例として挙げられている文化財も一級品ばかり。三十三間堂の千手観音像、金剛峯寺の毘沙門天立像、根津美術館蔵の尾形光琳作・燕子花図、禅林寺の国宝の掛幅・山越阿弥陀図、国宝の文書・東大寺文書など、計18の文化財が登場しています。

それらを各4ページほどずつ、どこが傷んでいたのか、修復の目的はなにか、どのような材を用いて修復するのかなどが解説されます。虫食いや折りじわがあったり、過去の修復で当初とは違った姿になっているものがあったりと、一筋縄ではいきません。最後には修復前後の画像が並べられているため、どう蘇ったのかが分かりやすく伝わってきて、心の中で喝采を送りたくなりますね。

普段はただただ美しい、ありがたいと見ている文化財たちですが、その裏側でこんな地道な作業が行われていることが分かると、また違ったアングルから見られると思います。知的好奇心を刺激された良書ですので、ぜひ手にとってみてください!


『<$MTEntryTitle$>』より

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