2012-10-06

酷道を走る

まともに整備されていない国道=「酷道」。酷道マニアさんによる11本の踏破レポ

本書は、2009に発売された酷道マニアによる酷道踏破の記録。この「酷道」とは、まともな整備がなされていない国道のこと。筆者は、海なし県の岐阜県在住で、「TEAM酷道」の運営者さんです。

一般的に、国道は国によってしっかり整備されていて走りやすい道である、というイメージがありますが、一部の山間部ではそれは当てはまりません。対向車とすれ違うこともできないような細い峠道だったり、舗装すらされていないダート道だったり、ガードレールも無かったり、路肩が崩れていたり、通行車両の数が少ないので落ち葉が厚く積もっていたり、県道よりも明らかに整備状況の悪い国道はいくつも見つかります。山道を車で走っていて、命の危険すら感じるような道も少なくありません。

筆者は、そんな酷道を好き好んで走りたがるマニアさんです。運転免許を取り立てでの初ドライブが、何も知らずに足を踏み入れた、岐阜市から金沢市へ抜ける国道157号線。しかも、車の知識もないので、いきなりレンタカーで高級セダンのシーマを借りるという無謀ぶりです。運転技術も未熟で命からがら完走したのですが、後に酷道マニアになっていくんですから不思議なものですよね。

本書では、中部エリアの酷道を中心に、11本の酷道踏破のレポートが掲載されています。酷道を走るためだけに、四国の193号線・439号線、九州の388号線・265号線などへも遠征するんですから、本格的ですね。

実走レポは緊迫感が伝わってきて楽しいものですが、写真などが少なめで、やや迫力にかける感はありました。廃墟や廃道・酷道といったカテゴリーは数多く書籍化されていますが、やはりテキストではその魅力が伝わりづらいものです。まずは筆者のホームページなどを見て、その後に本書を手に取ると分かりやすいでしょう。


『<$MTEntryTitle$>』より

『<$MTEntryTitle$>』より

『<$MTEntryTitle$>』より


【酷道を走る】の関連記事

  • 『マンホール:意匠があらわす日本の文化と歴史 (シリーズ・ニッポン再発見)』~マニアさんが画像コレ約400点を紹介。画像は白黒。地域紹介の読み物的に充実してます~
  • 『厳選! デザインマンホール大図鑑』~美しいデザインのマンホールが553枚!見やすくコラムも充実。お勧めです!~
  • 『大人の探検 奇祭』~大人の探検シリーズ二冊目は「奇祭」。読みやすくて適度に専門的。かなり楽しめます!~
  • 『デザインマンホール100選―阿寒から波照間島へ旅歩き』~マニアご夫婦が集めた美しいマンホールの蓋の画像が多数。旅行ガイド本のような楽しさ!~
  • 『世界でもっとも阿呆な旅』~スケベニンゲン、エロマンガ、鼻毛。「珍地名」探訪マニアの活動記録。呆れるほどの情熱!~
  • 『南極1号伝説 ダッチワイフからラブドールまで-特殊用途愛玩人形の戦後史』~ラブドールの歴史をたどった真面目な一冊。(※アダルトではありませんが18禁で)~
  • 『いやげ物 (ちくま文庫)』~もらって嬉しくない土産物=「いやげ物」。400点強の写真入りでMJワールドが炸裂します!~
  • 『JAPAN UNDERGROUND』~日本の「地下空間」の写真集。あまりにも退廃的で蠱惑的。身震いするほどの美しさです~
  • 『巨石巡礼―見ておきたい日本の巨石22』~全国22ヶ所の「巨石」スポットを紹介した一冊。写真も美しく、ガイド本としても使えます~
  • 『古くて新しいお江戸パワースポット 富士塚ゆる散歩』~関東に残る「富士塚」を探して登り、信仰する人々に密着し、その魅力を伝える充実の一冊~
  • 『おかしなジパング図版帖 -モンタヌスが描いた驚異の王国-』~17世紀のオランダ人が描いた奇書『日本誌』。とんでもない挿絵が興味深く面白い!~
  • 『キャラ立ち民俗学』~確珍犯・即身仏・天狗・飛び出し坊や・鍾乳洞など、広大なMJワールドの入門編に最適!~


  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ