2012-09-06
迷宮美術館 アートエンターテイメント
NHKで放送されていた番組の書籍化。絵画鑑賞の初心者さんの入門書に最適です
NHKで放送されていたアートエンターテイメント番組「迷宮美術館」の内容をまとめて、読みやすい大型本にしたもの。『怖い絵』シリーズのように、絵画が描かれたエピソードや秘話を解説してくれて、なかなか楽しく読めました。私はこの番組は数回しか観ていませんが、番組中にスタジオゲストへのクイズなどが差し込まれるようですので、本で読むだけで十分なような気がします。
取り上げられているのは、私のような初心者にも分かりやすいような名画が中心です。
レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』、点描で有名なスーラの『グランド・ジャット島の日曜日の午後』、葛飾北斎『』富嶽三十六景 神奈川沖浪裏』などの絵画的なテクニックの解説や、ピカソ、モネ、ルノワールに関わった女性たちの話、発表当時に話題になった作品たち、アメリカとフランスで争奪戦となったミレー『晩鐘』など、歴史に翻弄された絵画たち。
どれも分かりやすい解説と、興味をひきやすいエピソードが選ばれていて、最後まで飽きずに読めました。西洋絵画に苦手意識のある方も少なくないと思いますが(私もそうでした)、この本などから絵画が描かれた歴史的背景や当時の世相、作者のエピソードなどを交えて絵を見てみると、より理解が深まります。
「絵を見るときには余計な情報を入れず、見たまま感じたままを楽しむのがいい」という向きもあると思いますので、そこまでこだわらない方はこんなアプローチをしてみてもいいですね。サクサクと気軽にページをめくれますので、図書館などで探してみてください。