出雲-古事記のふるさとを旅する―イザナキ・イザナミ、スサノオ、オオクニヌシに会いに (別冊太陽 太陽の地図帖 11)
古事記編纂1300年の企画本。地図帖であることの必然性は…?
別冊太陽が監修した「太陽の地図帖」シリーズの一冊。古事記編纂1300年に合わせた企画です。地図帖をもとにおとなの旅を提案するもののはずが、今回は地図である必然性が薄く、やや拍子抜けの感がありました。
内容は、神話の故郷・出雲について、「古事記の舞台を旅する」と題して、イザナギ・イザナミ、スサノオ、オオクニヌシノミコトと、3種類のマップがあり、それぞれ関連スポットを紹介していくというものです。さすがに他のガイド本よりもテーマが絞ってあって、深めに掘り下げてありますね。ガッツリと古事記の故地を巡りたい方にはいいでしょう。ただ、地図帖で遊んでいる感はほぼゼロですね(笑)
この中に、漫画家・こうの史代さんが描く、スサノオを主人公にした「おとうと」という6ページの描きおろし漫画が掲載されていますが、これがなかなか味があっていいですね!スサノオが出雲に下った辺りのお話ですが、「僕はずっと姉ちゃんや兄ちゃんのようにりっぱでないから早くしんだほうがいいんだろうと思っていました」こんなセリフを語るスサノオは、ちょっと斬新ですね。この作家さんは、今「ぼおるぺん古事記( http://goo.gl/4xxjg )」というウェブ連載をやっていて、春に単行本化されるとか。ちょっと楽しみです!
そして余談ですが、今年は古事記編纂1300年ですから、今すぐにでも出雲へ行きたいところですが、出雲大社は60年に一度の大遷宮の真っ最中(平成25年5月まで)です。そこがネックですが、古事記関連の黄泉比良坂・神魂神社・八重垣神社などはもちろん、古代史好きとしては、荒神谷遺跡・加茂岩倉遺跡・西谷墳墓群(四隅突出型墓がある)などなど、見て回りたいスポットが多すぎます。
そんな渋めのスポットに狙いを定めている方であれば、この本はきっと便利なガイド本として役に立ってくれるでしょう。