2012-02-21

万葉 和歌の浦

和歌山の万葉歌について。今も昔も風光明媚な土地なんです

和歌山・万葉館で購入した一冊。古くから風光明媚な土地として万葉の歌人に詠まれた和歌の浦は、斉明天皇・持統天皇らの紀温湯(牟婁温湯。現在の白浜)行幸の際に立ち寄られただけではなく、後に聖武天皇が和歌の浦・玉津島を目的地として行幸したほど、万葉人にとっては馴染みの深い景勝地だったそうです。奈良の都からここへ向かう道すがらにある真土山、妹山・背山などの歌も紹介され、その旅を追体験できるのもいいですね。

和歌の浦や玉津島とその周辺については、山部赤人の歌など13首が万葉集に収められているのだとか。最も有名なのは、やはり山部赤人の以下の歌でしょうか。

●若の浦に 潮満ち来れば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴(たづ)鳴き渡る
(和歌の浦に塩満ちて、干潟がなくなったので、こちらの葦辺に向かって鶴が一斉に鳴きながら飛んで来る)

実際にこの場所に行くと、細く伸びた砂浜・片男波の姿や、海上に小さな島が浮かぶ姿はとても美しく、ちょっとした感動があります。

なお、この本はISBNはついていますが、今現在、ネットではもうほぼ手に入らないようです。和歌山へ行った際にお土産としてどうぞ。いいところですよ!


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