2012-02-10
広重と歩こう東海道五十三次 (アートセレクション)
歌川広重「東海道五十三次」全作品を収録し分かりやすく解説
歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」の全作品を収録し、絵画的な技法や現在の様子との比較、当時の旅の様子などが解説された一冊。初心者にも分かりやすくアートを紹介してくれる「小学館アート・セレクション」シリーズのもので、安心と信頼の内容です。
東海道五十三次は、日本でもトップクラスの知名度を誇る浮世絵シリーズですが、意外とその全図を見る機会は少ないでしょう。一番の日本橋、峠が描かれる箱根、何故か雪景色で描かれた蒲原などは特に有名ですが、それ以外にも構図の凝ったもの、ほとんど人物画になっているものなど、着想の多彩さに驚かされます。特に後半には熱田神宮の神事が描かれていたりするのは全く知りませんでした。
また、当時の旅や街道についてのコラムも面白いです。旅姿の女性たちや関取衆、大きな天狗の面を背負った人などが登場しますが、それぞれどのような役割だったのかが説明されています。
私は、東海道にはほとんど土地勘もありませんが、前半の箱根の辺りまでは箱根駅伝のお陰で、知った地名が多いんですね。その中継の模様を思い浮かべると、より楽しめます。ちなみに、川崎には「東海道中膝栗毛」にも登場した有名な奈良茶漬屋「万年屋」というお店があったことを知ったので、また調べてみたいと思います!