2012-01-31

大和古物散策

「奈良」と「なんでも鑑定団」好きな方は必読の書です

奈良好きで、毎週「なんでも鑑定団」を見ているような方に最適の一冊。奈良にまつわる古物の世界を、興味深いエッセイとして読ませてくれます。個人的にはとても楽しく読了できました。

好評だったようで、シリーズとなってこの後も「大和古物漫遊」「大和古物捨遺」と2冊の続編が出版されていますし、奈良本コーナーに並んでいるためよく書店などで目にしていました。しかし、著者の「岡本彰夫」さんが、春日大社の権宮司の方だと知りませんでした!テレビなどで春日大社が紹介される時など、必ずといって言いほど登場なさる方です。古社の神職の方ともなれば、普段から古物に触れる機会は圧倒的に多いのでしょうが、古物商にまで出入りなさっているとは知りませんでした。

本書で取り上げられた物は、様々です。

●奈良絵・鹿の角細工・赤膚焼・奈良茶碗・奈良人形・古墨など、まだ比較的馴染みのあるもの
●幣箱・丁字風路・鈴石・琴乳など、名前を聞いてもピンと来ないようなもの
●森川杜園・奥田木白・内藤淇園など、奈良検定でしか名前を聞いたことが無かった方々

いずれも写真入りで、4ページ程度の短めの読み物になっているため、最後まで飽きずに読めます。奈良は歴史ある土地だけに、そこで使用される道具類も様々ですし、古物となると複製品や模倣品などが出まわり、そんなエピソードも何度も登場してきます。古道具に興味のある方にオススメです。


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