2011-12-29
興福寺のすべて―歴史・教え・美術
興福寺の全てがコンパクトにまとまった読みやすい一冊
タイトルの通り「興福寺のすべて」が解説された一冊。興福寺貫主や奈良博の専門家の方々が執筆を担当していて、それぞれ歴史・美術・教えなどの専門の分野を解説しています。さすがに長い歴史を持つ古刹だけに、興福寺の歴史と所蔵する仏像などを記述だけで膨大なものになります。何度も火災にあってきただけに、中金堂・北円堂・南円堂・五重塔なども全て何度も建てなおされており、それがより複雑なものにしています。
2004年の発行で160ページほど。少し前に読んだ「別冊太陽 東大寺」と比較すると、さすがに情報の厚みに劣ります。四天王像の写真を掲載するにしても、興福寺の諸堂におわす何組もの四天王のどの方なのかがやや分かりづらいのが難点でした。しかし、特に仏像に関しては丁寧に解説されているため、とても参考になりました。