2011-12-24
万葉集 (日本の古典をよむ 4)
万葉集の「読みたいところ、有名場面をセレクト」したもの
日本の古典の「読みたいところ、有名場面をセレクト」したシリーズの万葉集版。よく知られた歌を中心に300首余りが収録されています。
特徴的なのが、相聞歌や雑歌などでまとめてしまわずに、ちゃんと収録順に掲載されていること。万葉集はもともとかなり雑多な順番に並んでいるため、歌のタイプごとに再編集したものの方が読みやすい場合もあります。しかし本書では、巻第一から巻第二十まで、それぞれの巻ごとの特徴を解説しながら紹介されているため、万葉集の全体的な構造を把握しやすくなっています。
現代語訳もシンプルで理解しやすいですし、冒頭と巻末に掲載されている解説も分かりやすいですね。短いながらも、その歌が詠まれた背景も簡潔に解説されていますので、どのような人物がどのような状況で詠んだ歌なのかも把握しやすくなっています。万葉集を最初から最後まで読み通すのはなかなか難しいものですが、その世界にサッと気軽に触れるにはいいでしょう。