2011-12-23

超訳 万葉集―心に響く万葉の言葉 (マーブルブックス)

「J-POPのように」超訳されると確かに読みやすいです!

万葉集の名歌たちを、現代にも通ずる言葉に「超訳」した一冊。この手の本は、現代的に訳そうとするあまり、読んでいて赤面するような訳がつけられるものも多いのですが、本書では適度な超訳っぷりで、分かりやすく読みやすくなっています。

全体が5章に分かれていて(恋・四季・無常観・旅・レクイエム)、掲載歌数は150首ほど。もともと恋の歌(相聞歌)が多い万葉集ですから、全体の半数以上のページを割いていますが、有名な人物の歌に偏ることなく、作者不詳のものからも多数収録されています。作者別に見ていったのではなかなか目に触れない歌に出会えるのも、こういった本の魅力でしょう。

見開き2ページで、右には万葉歌、左には現代語訳と簡単な解説文。文字も大きめで読みやすいですし、万葉集を親しみやすい歌集として甦らせています。この時代の歌も、現代人と同じような悩みや喜びを持ち、とても共感できるものばかりですから、このような本から万葉集の世界に入ってみるのもいいですね。


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