2011-12-04

芸術新潮 2011年 10月号

世界遺産に登録された「奥州平泉とみちのくの仏たち」特集

芸術新潮2011年10月号「奥州平泉とみちのくの仏たち」。世界遺産に登録されて注目を集める奥州平泉と、震災の被害が懸念されているみちのくの仏さまの特集です。

私は東北へは一度も行ったことがないので、このエリアの仏さまに関しては全く知りませんが、芸術新潮の仏教美術の特集は読みやすくていいですね。ディープに掘り下げ過ぎずに、上手く情報をまとめてくれるので、知識が薄い人間でも興味を持ちやすくなっています。

まずは「奥州藤原氏とは何ぞや?」というところから始まって、その時代背景を解説。そして大判の写真を用いながら美しい仏さまたちを紹介していくスタイルになります。中尊寺金色堂や毛越寺の仏さまはもちろんですが、

岩手・天台寺の、表面にさざ波のような彫り跡を残す鉈彫りの聖観音さま、みちのくと縁の深い坂上田村麻呂を模したと伝わる毘沙門天像、宮城・双林寺のハンサムなお薬師さま、山形・慈恩寺の慶派仏師の手による十二神将像など、素晴らしいですね!さらに、中尊寺所蔵の仏教美術品(紺色の紙に金字で描いた経や絵画など)なども興味深かったです。いつか必ずお会いしに行きます!

後半の小特集にもロートレックが登場したり、なかなか満足度が高い一冊でした。


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