2011-09-11
奈良を知る 日本書紀の飛鳥
日本書紀の記述に沿って、飛鳥の関連する土地をめぐる一冊
日本書紀の記述に沿って、飛鳥の関連する土地をめぐる一冊。堅いテーマですが、日本書紀からの引用部分は読みやすい現代文になっていますし、時代ごと・土地ごとに絞って書かれているため、とても分かりやすくていいですね。2011年春に発刊されたものでデータも最新。斉明天皇が埋葬地かと話題になった牽牛子塚古墳の発掘のことや、その近くの大田皇女らしき墓についても触れられています。
取り上げられる場所は、仏教伝来の土地となった向原から始まって、真神原・小墾田・桧隈・百済川・甘樫丘・越智丘・飛鳥浄御原宮・磐余池・藤原宮など。24の項目に分けて、仏教伝来から藤原京へ遷都されるまでを追っています。いずれも現在までの発掘で分かっていることが事実として述べられ、それを各専門家がどのような推測しているのかが書いてあり、筆者の一方的な押し付けになっていないところがいいですね。その場所を取り巻く今の状況が伝わってきます。
誰にでも分かりやすいという内容ではありませんが、難しいことを分かりやすく読み下しているので、飛鳥の土地をより愉しむためのディープな一冊としてオススメです!