2011-09-09
日本の名景 塔 (Suiko books―日本の名景 (130))
日本国内の国宝・重文クラスの「塔」90基の写真集
日本国内にある、国宝・重文クラスの「塔」を90基収録しています。一つの塔に対して1ページ(または2ページ)で、簡潔な説明文を添えています。個人的に、とても塔の造形は好きなのでとても楽しめましたし、見てみたい塔が全国に多数あってウズウズしました!
私は奈良に住んでいるため、ここに掲載されている県内の塔はほとんど見てきています。法隆寺を含む斑鳩三塔・當麻寺の双塔・興福寺・薬師寺・談山神社など、奈良は本当に塔が多く残されている土地で、とても愛着もあります。普段はなかなか話題にならない、百済寺(広陵町)の三重塔や、大きさに目を見張る根来寺(和歌山県)の大塔なども掲載されているのも嬉しいですね。
しかし、東北や甲信越、中国地方などにも、とても美しい塔がたくさん存在することに驚きました。日本唯一の禅宗様の八角形の塔である、安楽寺(長野県)の八角三重塔。雄々しく立つ羽黒山(山形県)の五重塔、桜に囲まれた厳島神社(広島県)の多宝塔、屋根の反りが美しい瑠璃光寺(山口県)の五重塔など、まだ見ていない素晴らしい塔はいくつでもあります。いつか塔めぐりに出かけてみたいくなります。
また、当然のことですが、掲載写真が美しいんです。時間帯やアングルによって組物が黒く潰れてしまったり、全体が白っぽく写ったりと、塔の撮影は難しいものですが、さすがですね。季節を変えて天候を見ながら、何度も撮影にトライしたとのことですが、どれも本当に美しい姿にとらえられています。同じ「日本の名景」シリーズで、庭・水・富士なども発刊されているそうですから、そちらも見てみたいですね。