2011-09-01
ダンボールハウス
「建築としてのダンボールハウス」を調査・分類した一冊
建築学科に在籍していた筆者が、2002年から3年間にわたって、名古屋市内にあったダンボールハウスを訪ね、「建築としてのダンボールハウス」を調査・分類したもの。38の物件の実例が、詳細なイラストとともに掲載されています。
小屋型・テント型・寝袋型・ロープ型・ツーバイフォー型など、ダンボールハウスにも様々なタイプがあり、それぞれの家主によって個性が現れるようです。ほとんどが「究極の狭小住宅」ですから、それぞれの収納術などが見られるのも面白いところです。
また、最初は最低限の雨風がしのげれば…という作りでも、次第に快適性を求めて進化していく様子が見られて面白いですね。住人によっては、立派なダンボールハウスを構えてしまうと路上生活が長引くからと、あえて粗末に済ませている方がいらっしゃったり、逆に小屋作りのベテランに建築を依頼する方もいらっしゃるとか。
本としては、130ページ少々の手軽に読める内容です。筆者の独特のイラストはいいのですが、掲載写真が白黒写真で小さめなのが残念。もう少し大判で見たかったですね。同種のテーマを扱った写真集『0円ハウス』と合わせて読むといいかもしれません。