2011-08-20
能にアクセス (劇場に行こう)
難解な「能」の世界を分かりやすく。入門書に最適です
古典芸能をわかりやすく解説したシリーズの「能」版。私は全く能に関する知識が無かったので、ある能関係の本を読むために事前に読んでみました。他との比較が出来ませんが、難解に見える能の入門書としては最適でした。
独特の用語や劇場ガイド、おすすめの曲とその詞章集など、観劇前の準備の第一歩になりますね。何の予備知識もなく劇場にいったら、私レベルではまず理解出来ないでしょう。しかし、独特のストーリー展開方法や、名作と呼ばれる作品のあらすじを知っておくだけで、ぐっと身近に感じられました。
●日本の伝統芸能の中でも、歌舞伎は誇張した演技や演出があるのに対して、能は省略可・抽象化したものが多い
●能の曲は、ほぼ室町~安土桃山時代に作られたもの。現在も演奏されているのはそのうちの240曲ほど
●ストーリーは「夢幻能」と呼ばれるものが大多数。「旅人が土地の者と会い、ゆかりの人物や出来事の話を聞く。実はそのひとこそがゆかりの人そのもの。 -中入り- 旅人の夢の中にその人が現れて、昔の出来事を舞ってみせる」という構成
初心者の私にはこの辺りからして驚きでした。あと、演目に源平モノが多いので、その辺りの知識もあった方がより楽しめると思います。
奈良は能(大和猿楽四座から)発祥の土地ですし、興福寺の薪御能(5月11日・12日)などもあるので、いつか行きたいと思います。