2011-07-18
古事記 (まんがで読破)
時間のない受験生用や、他の古事記本の副読本くらいなら
古典を読みやすくする「まんがで読破」シリーズの古事記版。あの膨大な古事記の内容を、わずか185ページにまとめるのですから、普通にストーリーは追いません。学生たちのレポートを先生が手助けしてまとめていく、という形で内容を紹介していきます。細かいところには触れていないため、内容の概略としては不完全でしょう。古事記を楽しむための最初の一冊としては、あまりオススメできません。
しかし、エピソードを「読み解く」という形式になっているため、「生まれた神々の名前を音読みすると、家作りの基本が示されている」「ヤマタノオロチは川の氾濫を表している」など、違った解釈を提示してくれています。この本を読んでも、とても古事記を読破したとは言いがたいですが、読み解き方が分かるメリットはありますね。
また、最後には、倭建命(ヤマトタケルノミコト)の逸話で19ページ、神功皇后で14ページで紹介されていますが、やはり全体的に駆け足です。時間のない受験生用や、他の古事記本の副読本くらいと考えると丁度いいでしょう。