2011-07-08
団地の見究
団地ブームの火付け役による、迫力の写真と、充実の鑑賞ガイド
「団地」の形状の美しさを愛でる団地マニアという方がいらっしゃいます。著者はそのブームの火付け役となった方で、この本でも、団地観察の基本ポイントを抑えながら、誰にでも分かりやすいようにその魅力を解説しています。画像も大きいですし、説明もシンプルで簡潔。団地本を何冊も読んだわけではありませんが、入門書には最適でしょう。
改めて見てみると、団地のフォルムは多種多様です。アシンメトリーであったり、ワンポイントカラーがあったり、階段・目隠し・水タンク・雨水管など、様々なパーツが色んな表情を形作っています。さらに、スキップフロアや存在価値の分かりづらいパーツが配置されると、一気に趣が増していくのです。素っ気ないシンプルな団地もいいですが、ゴチャッと過剰な団地もいいんですよね。
個人的には、大きな団地すらないような田舎育ちのため、団地は都会の象徴でした。このため、あまり観察の対象として意識したことはありませんでしたが、都会に生まれ育った方であれば、長い間ずっと見過ごしてきた身近な団地の美しさを再発見できるかもしれません。オススメです!