2016-12-01

六国史―日本書紀に始まる古代の「正史」 (中公新書)

6つの国史についてエピソードとともに分かりやすく解説。良書!

奈良時代の『日本書紀』に始まり、平安中期まで国主導で編纂された6つの国史「六国史」について、その内容や背景を解説した一冊。奈良県などが参加する「第4回古代歴史文化賞」の優秀作品賞に選ばれたことで知った一冊ですが、とてもおもしろかったです!


説明文:「奈良時代から平安時代にかけて編纂された歴史書「六国史」。七二〇年に完成した日本書紀から、続日本紀、日本後紀、続日本後紀、日本文徳天皇実録、日本三代実録までを指す。天地の始まりから平安中期の八八七年八月まで、国家の動向を連続して記録した「正史」であり、古代史の根本史料である。本書は、各書を解説しつつ、その真偽や魅力を紹介。また、その後の紛失、改竄、読み継がれ方など、中世から現代に至る歴史をも描く。」


私などにとっては、日本最初の勅撰の国史である『日本書紀』、持統天皇以降の奈良時代を扱った『続日本紀』はともかく、それ以降のものはほぼ馴染みがありませんした。

【1】720年『日本書紀』-神代~第41代・持統天皇(30巻、系図1巻)
【2】797年『続日本紀』-第42代・文武天皇~第50代・桓武天皇前半(40巻)
【3】840年『日本後紀』-第50代・桓武天皇後半~第53代・淳和天皇(40巻中の10巻のみ現存)
【4】869年『続日本後紀』-第54代・仁明天皇(20巻)
【5】879年『日本文徳天皇実録』-第55代・文德天皇(10巻)
【6】901年『日本三代実録』-第56代・清和天皇~第58代・光孝天皇(50巻)

後半になると天皇の一代記のようになっていますが、とくに物語性があったりするものではなく、その時代に起こった事件・出来事などが事務的に記されているのだとか。歴史を扱った本に引用されるのを見かけるくらいで、とくに読んで面白いものではないようです。

本書では、こうした国史編纂の歴史と背景、特徴などを、印象的なエピソードを交えて紹介しています。なぜ編纂されたのか、なぜ作られなくなったのか、削られた内容や復活した内容など、無機質になりがちな内容を興味深く読ませてくれます。

個人的にとても楽しく読了できましたので、興味のあるかたはぜひ!


【六国史―日本書紀に始まる古代の「正史」 (中公新書)】の関連記事

  • 『偽書「東日流外三郡誌」事件 (新人物文庫)』~戦後最大の「偽書」事件を追ったルポルタージュ。推理小説より面白い!~
  • 『承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書)』~鎌倉時代の政治や社会について、素人にも分かりやすく解説した良書!~
  • 『東大寺のなりたち (岩波新書) 』~東大寺前史からの歴史を平易に解説。知らなかった事柄も多く、もう一度読み直したい良書です!~
  • 『天誅組―その道を巡る (京阪奈新書)』~奈良県内を中心に「天誅組」ゆかりの地をまとめたディープなガイドブック~
  • 『沈黙する伝承―川上村における南朝皇胤追慕 (あをによし文庫)』~資料を読み解き「後南朝」の人々がよりリアルに。読み応えのある良書です!~
  • 『遣唐使 阿倍仲麻呂の夢 (角川選書)』~阿倍仲麻呂の生涯に、万葉学者・上野先生が真っ向から挑んだ力作!~
  • 『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書)』~ややこしい京都の大乱を扱いながら、大和の描写も多く読み応えあり!~
  • 『歴史のなかの大地動乱――奈良・平安の地震と天皇 (岩波新書)』~奈良時代に頻発した地震は宮廷にどのような影響を与えたのか?良書です!~
  • 『六国史―日本書紀に始まる古代の「正史」 (中公新書)』~6つの国史についてエピソードとともに分かりやすく解説。良書!~
  • 『怨霊とは何か - 菅原道真・平将門・崇徳院 (中公新書)』~中世の人々にとって怨霊とはどういう存在だったのかをわかりやすく~
  • 『寺社勢力の中世―無縁・有縁・移民 (ちくま新書)』~公家と武士に匹敵する力を持った中世の寺社。その成立過程を解説した良書~
  • 『正倉院文書の世界―よみがえる天平の時代 (中公新書)』~行政から写経所の衣食住まで。正倉院文書をわかりやすく解説した良書~






  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ