2019-06-11

承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書)

鎌倉時代の政治や社会について、素人にも分かりやすく解説した良書!

承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱 (中公新書)
坂井 孝一
中央公論新社
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鎌倉時代、将軍・源実朝の暗殺事件をきっかけとして、後鳥羽上皇が起こした「承久の乱」について、とても分かりやすく解説した一冊。この事件については、教科書的な浅い知識しかありませんでしたが、その時代背景や流れ、特異性や人物像などが浮かび上がってきて、夢中になって読了しました。

一二一九年、鎌倉幕府三代将軍・源実朝が暗殺された。朝廷との協調に努めた実朝の死により公武関係は動揺。二年後、承久の乱が勃発する。朝廷に君臨する後鳥羽上皇が、執権北条義時を討つべく兵を挙げたのだ。だが、義時の嫡男泰時率いる幕府の大軍は京都へ攻め上り、朝廷方の軍勢を圧倒。後鳥羽ら三上皇は流罪となり、六波羅探題が設置された。公武の力関係を劇的に変え、中世社会のあり方を決定づけた大事件を読み解く。

「内容紹介」より


本書のタイトルは「承久の乱」ですが、乱そのものは1ヶ月ほどで終わった短期戦だったため、その描写は最後の2章分程度。冒頭から鎌倉幕府の性格や、どのようにして北条氏の体制が整えられていくのかなどについて解説されています。

私などは、奈良時代以降の歴史については人並み以下の知識しか持ち合わせていませんが、それにしても鎌倉時代のことについて、以下に無知であったかを思い知らされました。

武士といえば、戦国時代~江戸時代の姿を思い浮かべてしまいますが、その誕生の経緯が「荘園という土地を守るために自衛を始めた」というニュアンスで、面白半分に無意味な殺生も行ったことなど、私のイメージとは大きく違っています。

また、源頼朝は当初は東国にとどまり朝廷とは一定の距離を置いており、武士たちが朝廷から官位を授かることを良しとしませんでした。理想とする「武士のための、武士のための政権」を実現するため、これが朝廷から骨抜きにされるのを防いでいたのだそうです。弟である源義経が裏切り者とされたのも、平家追討のさなか、無断で官位をもらってしまったためだったとか。

また、頼朝のあとを受けた源頼家・実朝、そして後に幕府を支配する北条時政・義時、梶原氏や比企氏などの重臣たち、そして傑出した存在だった後鳥羽上皇などが入り混じっての権力闘争が続きますが、本書ではとても読みやすく整理されていて、読みごたえがあります。ぜひ!


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