天誅組―その道を巡る (京阪奈新書)
奈良県内を中心に「天誅組」ゆかりの地をまとめたディープなガイドブック
天誅組の変の内容について追った良書『実録 天誅組の変』の著者である舟久保藍さんが、天誅組のゆかりの地をまとめたディープなガイドブック的な一冊。
天誅組に関連する史跡は、奈良県内だけでも奥吉野を中心に広範囲にわたっており、かなり把握しづらいものです。本書では関連の土地が写真入りでわかりやすく紹介されており、その足跡をたどる際に必携でしょう。
天誅組とは…「序章」より
幕末、大和国への行幸の詔が出された。攘夷祈願を行い天皇を推し官軍を立て、武力倒幕へもちこむ計画があり、約四十名の志士たちが密かに集結した。公家中山忠光を主将に、多くが二十代の若者たちであった。一行は皇軍御先鋒団を結成し、大和国南部を支配する五條代官所へ討ち入った。これが「天誅組」である。彼らは約七万石の幕府領を占拠し、新政府「五條御政府」を打ち立てたが、翌日、行幸反対派の公家による宮中クーデターが起こり行幸は中止となってしまう。わずか一日で彼ら天誅組は、皇軍御先鋒の大義名分を失い、代官所を襲撃した逆賊となってしまったのである。
その後の、天誅組の四十日に渡って幕府軍を翻弄し続けた道のりを巡る本。
「内容紹介」より
●序章
奈良県内の行軍図/相関図/行軍年表
●第一章 奈良県 倒幕の先駆けとして
[1] 新時代の第一歩となった五條市
[2] 南朝の里、西吉野町・大塔町
[3] 高取町へ進軍、御所市・高取町
[4] 焼け野原となった商都、下市町
[5] 勤王の誉れを受け継ぐ十津川村
[6] 後南朝が脈うつ下北山村・上北山村・川上村
[7] 終焉の地、東吉野村
[8] 脱出を図った桜井市・天理市
●第二章 大阪府 楠木正成の地を行く
[1] 西高野街道を進軍した堺市・大阪狭山市
[2] 河内勢が集結した富田林市
[3] 勤王の奥河内、河内長野市・河南町
●第三章 主な隊士の関連地
[1] 吉村虎太郎 高知県高岡郡津野町・梼原町ほか
[2] 藤本鉄石 岡山県岡山市ほか
[3] 松本奎堂 愛知県刈谷市ほか
[4] 中山忠光の終焉地 山口県下関市
●コラム
五條ゆかりの隊士たち/井澤宜庵/乾十郎/森田節斎/下市町ゆかりの隊士 橋本若狭/義を貫いた十津川郷士たち 野崎主計/深瀬繁理/ 田中主馬蔵/田中光顕の歌碑/安堵町ゆかりの隊士たち 伴林光平/北畠治房(平岡鳩平)/志士の聖地、靈明神社と霊山墓地
奈良県内の足跡を追うだけではなく、大阪府のゆかりの地はもちろん、吉村虎太郎の高知県津野町、藤本鉄石の岡山県岡山市など、主要な人物に関しては範囲をさらに日本全国へ広げているのもいいですね。
できれば前著の『実録 天誅組の変』を先に読んで、この本を片手に現地へ向かうことをお勧めします。2018年は「明治維新150年」の年ですし、ぜひ興味を持ってみてください!
■天誅組~その道を巡る
HP: http://www.narahon.com/book/2018/06/16/40
価格: 1,000円(税抜)
サイズ: B6サイズ
ページ数: 197ページ
※一部店舗のみでの販売です。
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