2016-07-08
ニートの歩き方 ――お金がなくても楽しく暮らすためのインターネット活用法
小さく稼いで小さく暮らす。「ニート暮らしも悪くない」と思える一冊
ニートの人たちなどが集まって生活するシェアハウス「ギークハウス」などを運営している、「pha(ファ)」さんの2012年のご著書。
京大を出て一流企業に就職したものの、サラリーマン生活に馴染めずに離職。プログラミングを覚え、サイト運営などで幾許かの収入を得て(この時点で月8万円ほどだとか)、みんな集まってのんびりと暮らしていらっしゃいます。
本書の内容は、ニートになった経緯、どんな生活を送っているのか、暮らしかたの紹介、これからのことなど、全288ページに及ぶ大著です。
個人的にはこういったミニマムな生活に共感を覚えるタイプなので、ひたすら「小さな労力で生きていくには」を実践するスタイルはありだと思っています。「人間は働くために生きているのか」「いろんなことを諦めよう」「世間体は気にするな」「個人によるネットワークの時代」といった見出しにはまったく違和感もありませんし、早くこういう価値観が普遍的に認められる時代が来るといいなと思ったりしています。
とりあえず、本書にはどうやって稼いでいるかなどの方法も紹介されていますが、決して金持ちになれるわけではありません。最低限の稼ぎでのんびり生き延びるための手段ととらえられています。
この本を読んだからといって、楽して稼げるようにはならない代わりに、少しだけ気分は楽になるかもしれません。仕事に押しつぶされたりする前に、(大きな期待などせずに)気軽に読んでみるといいかもしれませんね。