古地図とめぐる東京歴史探訪 (ソフトバンク新書)
明治初期の地図をもとに、東京の道・城跡・古墳・人物を訪ね歩くブラタモリ的な一冊
明治初期の古地図をもとに東京の町を歩き、地理的・歴史的な観点から改めて見なおしてみよう、という趣旨の一冊。新書ですがカラーページも多く、掲載されている地図も鮮明で読みやすかったです。
東京の地理はそれほど詳しくありませんので、地名からすぐにイメージが浮かびませんが、今はビルばかりが立ち並ぶようなイメージの都心でも、古道・古墳・神社・物語など、古の痕跡は残っているんですね。
説明文:「「東海道は、はじめ東京を通っていなかった」「都会の秘境のごとき渓谷は、どうやってできたのか」「渋谷には城があった」「巨大古墳群が都内に残っている!」「源氏のつくった八幡神社がそこらじゅうにあるのはなぜ?」。古地図片手に、道や史跡、伝承を訪ねれば、知られざる土地の姿と歴史が浮かび上がってくる。自転車・GPS・デジカメを駆使したフィールドワークを続ける著者が、東京の再発見に挑むガイド書。」
本書では、明治初期に陸軍が作成した二万分の一の彩色地図をもとに、現代の地形などと照らしあわせています。こういった行為の楽しさは、NHK「ブラタモリ」で一般に広まった印象ですが、その楽しさは十分に味わえますね。
テーマは、道(東海道や古代東海道)、土地(モース博士や弥生)、城跡(江戸氏や渋谷城、世田谷城址など)、古墳(野毛大塚古墳や等々力渓谷など)、人物(平将門の首塚、源義家と八幡神社など)、物語(更級日記や梅若丸)など。
東京の地理や歴史にそれほど詳しくない私でも、いろんな発見があって楽しめました。この本を参考にして街歩きしたくなりますね。
作者さんは、歴史や地理の専門家ではなく、こういった趣味をお持ちのライターさんだとか。このためあまりディープになりすぎず、とても読みやすい印象でした。興味のある方はぜひ探してみてください。