2014-11-03

さよならソルシエ 1 (フラワーコミックスアルファ)

画家ゴッホと画商の弟のエピソードを大胆に改変。賛否両論あって当然の衝撃的な作品です

デビュー短篇集『式の前日』(紹介記事)が大きな話題となった漫画家・穂積さんが手がけた初の長編作品。単行本は2巻で完結しており、宝島社の「このマンガがすごい!」2014年オンナ編の第1位に選ばれています。

生前はまったく日の目を見ることがなく、死後に高い評価を受けるようになった画家フィンセント・ファン・ゴッホ。その弟で、画商として兄を支えたテオドルス・ファン・ゴッホ。19世紀末のパリを舞台に、この兄弟のエピソードを大胆に改変し、完全な別のストーリーに作り変えた超意欲作です。


説明文:「画家と画商…ふたりの“ゴッホ”の伝記浪漫。19世紀末、パリ。のちの天才画家ゴッホを兄に持つ、天才画商テオドルスの、知られざる奇跡の軌跡。生前、1枚しか売れなかったゴッホが、なぜ現代では炎の画家として世界的に有名になったのか…。その陰には実の弟・テオの奇抜な策略と野望があった! 兄弟の絆、確執、そして宿命の伝記!」


ネタバレになるのであまり詳しくは書きませんが、「よくもここまで大胆に!」と驚くばかりの展開ですね。私自身はこの時代の絵画なども好きですが、こうしたひねり方には特に嫌な感じもしませんが、呆れてしまう方もいらっしゃるでしょう。そのくらい大きく曲がって落ちる変化球です(笑)

当時の硬直した画壇の姿が描かれたり、若くてハツラツとしたロートレックが出てきたり、個人的にはニヤニヤしながら楽しく読めました。

しかし、これだけ切れのある変化球ですから、「このマンガがすごい!」の第1位に選ばれたりすべきではなかった……と思います。どのような投票システムかは分かりませんが、そこまでの作品ではないと思います。持ち上げられ過ぎて、期待値には届かないと判断する方も少なくないでしょう。

あくまでも大胆なフィクションとして、美術好きな方がニヤニヤしながら眺める作品として愛でられるべきだと思いますので、お好きな方はどうぞ!



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