2013-01-20
式の前日
少女漫画の枠を超えた、上質な短編小説のような作品集。話題になるのも当然ですね
「このマンガがすごい2013」オンナ編2位にランクインした作品。短篇集で、この1冊で完結しています。この作品が少女漫画デビュー作だったにも関わらず、大きな話題になっており、今なお入手困難な状態が続いているほど。確かに素晴らしい完成度でした。上質の小説を読んでいるかのような、しっかりと練られたストーリーが静かに展開していきます。とにかく上手ですね。
表題作の「式の前日」も、わずか16ページという短い作品ですが、一瞬の輝きを鮮やかに切り取り、ラストにちょっとしたひねりが加えられていて、思わずすぐに2回めを読みなおしてしまいます。他に5作品が収録されていますが、いずれも上質な文学作品のよう。漫画好きな方というよりも、小説好きな方から好まれるかもしれませんね。
ネタバレになりますので、あまり詳しくは書きませんが、興味のある方はぜひ探してみてください。
なお、作者の穂積さんは、月刊flowersで「さよならソルシエ」という初長編を連載中だとか。調べてみたら、ゴッホとその実弟テオドルスの物語だそうです!まだ単行本化はしていませんが、こちらもかなり期待できそうですね!