
阿・吽 1 (ビッグコミックススペシャル)
最澄と空海。天才宗教家たちの苦悩を描いたコミック。面白い!引きこまれます
比叡山を開いた最澄、高野山を開いた空海。天才宗教家たちの若いころの姿を描いたコミック『阿・吽』(おかざき真里、小学館)。最新の2巻までを読了しました。これは面白い!同時代に生を受け、お互いを意識し合いながら仏の道を極めた2人の天才宗教家たちの、若き日の苦悩と葛藤が描かれます。
説明文:「最澄x空海 ふたりの天才の物語が始まる!日本仏教の要である、比叡山延暦寺の開祖である最澄、弘法大師の名で日本人なら誰もが聞いたことがある空海。レオナルド・ダ・ヴィンチにも匹敵するといわれる日本史上、比類ない天才である、最澄と空海がまさに華麗に、繊細に、そして豪快に描かれる人間ドラマです!平安の世、当時のニッポンを変えた!といっても過言でないこのふたりは、その青年期は人も羨むエリートコースを歩んでいたが・・・・・・・・・・・本作『阿・吽』は、『サプリ』『&-アンド-』で女性の心情を美麗な筆致で、細やかに描いてきた著者の新境地です!」
物語は二人の幼少の頃から始まり、ずば抜けた才を持ち、それゆえに苦悩します。死が隣り合わせの時代、誰もが救いを求めていました。登場人物もあっという間に命を落とすなど、僧侶でありながら人々を救えない、自身への歯がゆさや苦悶などもしっかりと伝わってきます。それなりにえぐい描写もありますが、しっかりと引き込まれます。
平安遷都のころにはすでに南都仏教は堕落していたとして、かなり悪しざまに描かれているのば切ないですが、それも新しい宗教を開く原動力の一つにもなっていたのは間違いないでしょう。
これから唐へ渡ったり、二人が近づいたり反目したりと、物語は壮大な物語が続いていくはずです。宿命のライバルとされた2人の天才宗教家たちの苦悩にどこまで迫れるか、これからも楽しみにしています!