
BLUE GIANT 1 (ビッグコミックススペシャル)
名作『岳』の作者が描く「ジャズ」をテーマにした漫画作品。面白い!熱気が伝わってきます!
山岳救助を題材とした名作『岳』の作者・石塚真一さんが、新たにジャズをテーマに描いた作品。現在も雑誌連載中で、コミックス5巻まで読了しました(最新は6巻)。音楽を扱う漫画では、音の迫力が伝わらず空回りしてしまいそうなものですが、さすがしっかりと絵で読ませてくれます。さすがの快作です!
説明文:「『岳』の石塚真一、最新渾身作!!ジャズに心打たれた高校3年生の宮本 大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。」
楽器も触ったことのないド素人の高校生が、毎日河原でテナーサックスの練習をして、才能を開花。世界一のジャズプレイヤーを目指し、プロからも認められる存在へ成長し……と、基本的な流れはスポ根ものとあまり変わりません。ジャズという、一般的には分かりづらい題材だからこそ、このシンプルな構成がいいんでしょう。
私のように浅いジャズファンは、あっさりと物語の世界に引きこまれ、読み終わってすぐに2回目を読み始めたくらいはまりました(笑)
まっすぐで単純な主人公・大は、アホなほどひたむきに描かれ、周りの友人たち、大を支える家族たち、ジャズを愛する仙台の大人たちの描写が素晴らしいですね。絵もすごくて、音を伝える表現や寂しい河原の表現、ちょっとした描写からもしっかりと音が感じられるようです。
この漫画を読むのに、難しい知識も必要ありません。ジャズのことは何も知らなくても構いません。読んでいくうちに、「ジャズってどんな音楽だろう?」「主人公が出している音はどんなだろう?」と興味が広がると思います。YouTubeあたりでも大量の音源が見つかります。
個人的には、(トランペットですが)マイルス・デイビスのアルバム「Milestones」「'Round About Midnight」あたりを、ヘッドフォンで爆音で聴いてみることをお勧めします!ジャズってかっこいいですよ!