古代日本の超技術 改訂新版 (ブルーバックス)
倒れない五重塔・湿度調整する古代瓦など、古の日本人の超技術を現代目線で解説。面白い!
古代の人々が使用した、現代人も驚く超技術を解説した一冊。五重塔の倒れない塔の秘密や、硬いヒスイにきれいな穴を開ける方法、日本刀の切れ味の秘密など、半導体の専門家である著者が、現代の工学の視点から迫っています。
ロングセラーに最新の研究成果を加え、2012年に改訂版として登場したとか。読み続けられている本だけに、さすがに面白いです!最後まで楽しく読了しました。
説明文:「東京スカイツリーの制振装置にも使われた、「倒れない五重塔」の秘密。驚異の湿度調整能力で家屋を守る古代瓦。名刀「正宗」に半導体顔負けの多層構造が隠されていた!朽ちない釘に重要な役割を果たした“不純物”とは?縄文人はアスファルトを利用し、レーザーをしのぐ穿孔技術をもっていた!現代のハイテクを知り尽くす半導体研究者が自ら体験・実験して見抜いた、古代日本が誇る、自然を活かしきった匠の技のすべて。」
●東京スカイツリーにも使われた「倒れない五重塔」の秘密
●驚異の湿度調整能力で家屋を守る古代瓦
●名刀「正宗」の切れ味は多層構造がカギだった
●奈良の大仏の古代銅や朽ちない釘に重要な不純物
●縄文人のレーザーをもしのぐ穿孔技術
など、特に技術系の知識を持たない人間にとっては、不思議なことばかりです。古代から素晴らしい技術を駆使していたことに驚くと同時に、日本人は古から自然の素材と上手く付き合ってきたことが分かります。
東京スカイツリーの誕生から、五重塔の免震構造について注目が集まりましたが、理屈を聞いてみても不思議なものですね。調査によると、「人の手で壊された、または火事で焼けた塔はあっても、地震で倒壊した塔はない」のだとか。
かつて存在した東大寺七重塔(約96m)、法勝寺八角九重塔(約81m)がそびえ立っていた頃も、マグニチュード6以上の地震は20回以上もあったとか。それでも倒壊したりしないんですから、驚くばかりです。
こうした古の驚きの技術が、分かりやすく多数紹介されています。ただ、著者の専門である半導体の話に置き換えて説明しているところが何箇所かありますが、そこがかえって分かりづらいのが残念です。全体的に分かりやすいですから、興味のある方はぜひ。図書館などでも見つかると思います。