縄文の力 (別冊太陽 日本のこころ 212)
土器・土偶・石器など。美しい縄文文化をビジュアル豊富に紹介。読みやすく充実の内容です!
別冊太陽の気合の入った「縄文」特集。内容はそれなりにディープですから、まったくの初心者さんには難しいかもしれません。しかし、このシリーズ全般に言えることですが、とにかく画像のクオリティーが高く、見ているだけで楽しいですね。未開人と思われがちな縄文の人々が、どれだけ美しい文化を持っていたのかが十分に理解できるでしょう。
説明文:「奇想的で過剰とも見えるほど独特の形態をした土器、森羅万象が息づく精霊を宿した不思議な土偶たち、聖なる場に造られた遺跡の数々。現代人の心を揺さぶる縄文パワーの謎に迫る!」
冒頭から「縄文の形とこころ」というグラビアページがあり、美しい火焔土器や土偶(縄文のビーナス)をアップで紹介したり、思わず引き込まれます。それに続いて「縄文時代の基礎知識」として、現在の主流となっている学説を紹介。土器が引き起こした縄文革命、ムラの構成などが解説されます。縄文土器は、世界的にみても最も早い時期に作られた土器にあたるのだとか。
さらに、以下のようなコーナーが続きます。
●三内丸山遺跡や大湯環状列石など、石や木を並べた「縄文時代のモニュメント」
●加工した石器などを紹介する「旧石器時代の美術」
●狩猟道具などの「縄文人の道具箱」
●美しい土偶を時代ごとに分類した「土偶の美」
●男性器を模した石棒など、祭祀にまつわる道具を集めた「第二の道具」
●文様や形状の変遷を分かりやすく解説した「縄文土器の美」
●モースや岡本太郎など「縄文の美の発見者たち」
いずれも難解になり過ぎず、楽しく魅せてくれますね。その中でも石器や土器、遺跡などから美しいものを中心に扱っているため、好き嫌いはあると思います。縄文文化については他の本もたくさん出版されていますが、その中でもかなり楽しめた部類でした。
縄文文化を俯瞰して大づかみしたい方には最適な一冊ですので、興味のある方はぜひ!