楽しい古墳案内 (別冊太陽 太陽の地図帖 23)
「古墳」を広く浅く理解できるムック本。初心者にも分かりやすく楽しみ方を紹介しています
最近になってブームの兆しが見える「古墳」。太陽の地図帖シリーズから古墳について広く浅く理解できるムック本が登場しました。「学校で習ったけど古墳ってよく分からない。」そんな方にぜひ手にとって欲しい一冊です。
説明文:「卑弥呼の墓説のある前方後円墳から話題のキトラ古墳・高松塚古墳まで、日本各地の名古墳を紹介しつつ、古代ロマンを旅する。ユーモラスな埴輪も登場。文=哲夫(笑い飯)、山口晃、藤森照信。」
本書の構成は、大雑把に以下のようになっています。
●古墳についての歴史的な解説
●古墳の形についてイラスト入りで紹介
●大和・河内・飛鳥・吉備・上毛野というエリアに分けて古墳を紹介。墳丘に登れる・石室が見られるなどの紹介も分かりやすいです
●埴輪(はにわ)の形状別の分かりやすい分類
●イラスト入りの「東京古墳」案内(by ほぼ日で「ひとり古墳部」の連載を持っているスソアキコさん)
●九州北部にある、美しい文様が描かれた「装飾古墳」の紹介
●行って楽しい、見て楽しい、全国の古墳100選
●笑い飯 哲夫さん、アーティスト山口晃さん、建築探偵こと藤森照信さんの古墳エッセイ(または訪問記)
100ページ弱のムック本にこれだけの内容を詰め込んでいますから、さすがに掘り下げ方は浅めです。しかし、一般的な古墳を渥かった本とは違い、古墳へ行ってみること・どこに注目すべきか・どうやって楽しむべきかなど、初心者さんには分かりづらいチェックポイントを教えてくれるのがいいですね。
興味深かったのは、スソアキコさんの「東京古墳」。東京にも古墳が残っていることは想像していましたが、それがイラスト入りで紹介されると、ちょっと訪れてみたくなりますね。巨大古墳が身近に点在する関西とは違い、首都圏の方は古墳の存在を意識したことがない方も多いでしょうから、こういった視点は面白いですね。
古墳に囲まれて暮らしている奈良や大阪の方たちは、「古墳は普通にそこにあるもの」と思っている方も多いでしょう。そういった人たちにも、「古墳には色んな種類があって知れば知るほと面白い」ということが伝わるきっかけになる可能性のある一冊です。
歴史、古代、被葬者萌え、巨大構造物、天皇陵、可愛らしい形状、探検気分。
古墳を楽しむポイントを見つけて、ぜひ興味をもってみてください!