ひっこしました
エッセイストさんの引っ越し日記的な一冊。「あー、引っ越したい!」とそそられます!
イラストレーター兼エッセイストの杉浦さやかさんが、ご自身の引っ越しの様子を日記的に綴った一冊。2006年からウェブ連載した内容をまとめたものです。私個人も何度も引っ越しを繰り返してきましたし(おそらくもう出来ません)、その大変さも楽しさも知っていますので、引っ越ししたい願望がムクムクと頭をもたげてきますね(笑)
説明文:「荷づくり・家具探し・庭仕事・トラブル……。大変だから、面白い。かわいくて捨てられない雑貨をすっきり見せる杉浦流収納術、小さな庭をおしゃれに、ガレッジセールで不用品を楽しく処分、自分にピッタリの本棚をつくる…人気イラストレーターの暮らしづくりのヒントが満載。」
この方の本は、以前に少しだけ読んだことがありましたが、素敵なモノやライフスタイルを、可愛らしいイラスト入りで紹介する、という印象です。本書では、引っ越しに役立つノウハウというよりも、その模様を日記風に紹介するスタイルですから、やや毛色が違います。紹介文にあるようなノウハウは参考にはなるけれど、それを実際に応用できるかといったら微妙でしょう。
しかし、それ以上に引っ越しにまつわるすべての作業が、時には楽しそうに、時には大変そうに、写真やイラスト入りで描かれていて、読者にとって素敵な追体験になっています。実際にやったらしんどいことだらけなんですが、後から思い出してみたら楽しい記憶に変わっている、という感じですね。部屋を観に行ったり、家具を選んだりという行為のすべてが楽しそうで羨ましい限りです。
実際のところ、普遍的なノウハウとしては「引っ越しノートを作って情報は一冊にまとめる」「引っ越しをお願いする業者は必ず相見積もりをとる」くらいかもしれませんから、どこまで参考になるかは別として、意味もなく引っ越ししてみたくなりますね。どれだけじっくり選んでも、引越し先で困ったことがいくつも起こったりするのもリアルでいいですね(笑)
……と、すべて読み終わってからAmazonなどのレビューを見てみたところ、皆さん、なかなか辛口の評価のようですね。「日記的すぎて参考にしづらい」というご意見は納得できますが、「あまりにも友達を頼りにし過ぎ」などの意見もちらほらと。まぁそんな意見もあるようですので、覚えておくといいかもしれませんね。
出版は2008年で、私は単行本で読みましたが、文庫本『ひっこしました』も出ているようです。興味のある方はこちらを探してみるといいでしょう。