本当は怖い日本の怨霊
菅原道真・平将門・崇徳院。「怨霊」とされた者たちを紹介する500円本。サクサク読めます
菅原道真・平将門・崇徳院など、恨みながら憤死したため「怨霊」と化した者たちのエピソードを紹介する内容で、歴史作家・井沢元彦さんのインタビューなども収録されています。コンビニなどで見かけるいわゆる「コンビニ500円本」ですので、文字も大きく、記述も簡潔で明瞭。気軽にサクサク読めますね。
説明文:「晴らせぬ怨念は今も祟り続けている!聖徳太子から平将門、西郷隆盛まで、なぜ恨みを抱いた者は「怨霊」となったのか?なぜ人々は怨霊を畏れ、そして「神」として信仰したのか?日本の歴史の裏には、天変地異を巻き起こすような怨霊が常に存在した。そして、今も……。さまざまな謎を解きながら日本の精神的源流にさかのぼる歴史エンターテインメントの一冊!」
先に挙げた「日本の三大怨霊」に、古代からは、崇神天皇・蘇我入鹿・聖徳太子・長屋王・藤原広嗣・井上内親王・淳仁天皇が。平安時代以降は、早良親王・橘逸勢・後鳥羽院・藤原吉子・源義経・安徳天皇・後醍醐天皇・今川義元。江戸以降は、石田三成・佐倉惣五郎・西郷隆盛・乃木希典と、それぞれ6ページほどずつ紹介されていきます。さらに、怨霊退治の専門家として陰陽師・安倍晴明なども登場しています。
最後に、怨霊とされた者たちの縁の地や、祀られた神社などを紹介し、現地へ行けるようなガイドにもなっています。
私はもともと古代の歴史が好きでしたし、神社やお寺にもよくお参りしていますから、この本に書いてあるような内容は大体知っていました。平安時代までのところもしっかりとページを割いてあって、それなりに興味深かったです。しかし、一般の方はおそらくこの時代のことをほぼご存じない方も多いでしょうから、どこまで理解されたのか心配したくなるほどですw
特に深い内容ではありませんが、気軽に読める点はいいですね。なお、本書が扱うのは、基本的に身分が高い方々の「怨霊」であって、「幽霊」ではありません。背筋がゾクゾクッと寒くなるようなものではなく、歴史本寄りの内容になりますのでお間違いなく!