話を聞かない男、地図が読めない女―男脳・女脳が「謎」を解く
男女の違いを「脳」の仕組みの違いから語った2000年のベストセラー。今でも面白いです!
2000年に発売されて大ベストセラーになった一冊。男女の思考や行動の違いを「脳」の働きの差から解き明かし、それぞれの相互理解を深められるような具体的なアドバイスになっています。
私もこの本は発売して間もなく読みましたが、自分が女性心理にあまりに疎かったことに凹んだりしたものです。10年以上あいてから読みなおしてみても、十分に新鮮な内容ですね。決して恋愛指南書ではありませんが、男女間のコミュニケーションに悩んでいるような方にはぜひ読んで欲しいと思います。
説明文:「「男と女の謎」を解き明かし、日本で200万部、全世界で600万部、42カ国でNo.1となった超ベストセラー待望の文庫化。最新データが入った改訂増補版。なぜ男は一度に一つのことしかできないのか、なぜ女は方向音痴なのか、なぜ女はよくしゃべるのか、なぜ男は一人っきりになりたがるのか…。誰もが納得する男と女の行動の違いについて最新の情報を加えて紹介する。」
この本のタイトルは、それぞれの脳の回路の違いによって、男性は周りに気を配ったり上手く付き合ったりするのが苦手であり、女性は空間把握が苦手なため、地図を読む時にクルクルと回しながらでないと読めない(人が多い)ということです。決して性差別などではなく、「脳の仕組みが違うんだから違うのは当たり前」ということですね。
私は男ですから、どうしても男目線で読んでしまいますが、例えば女性たちは周りの人々との柔らかなコミュニケーションを軽々とこなしますが、一般的に男性はそんな才能に乏しいものです。女性同士の会話のように、相手にやんわりと気づいてもらおうと思っても、男の視野は狭くできていますから、そんな察知能力はありません。はっきりと言わなくては伝わらないし、伝えようと思ったら男性的な会話方法に少し近づくべきなのです。
また、女性がしゃべり続けて止まらない時、男性たちは余計な解決策を提示して話の腰を折ってしまい、結果的にお互いが不機嫌になってしまうこともあるでしょう。また、お買い物に付き合わされた末に、「これとあれ、あなたはどっちがいいと思う?」という困った質問をされてドキドキすることもあるでしょう。
そんな感覚の違いから、パートナーに対して「分かってくれない」と不満を募らせるのではなく、「脳の使い方から違うのだから仕方ない」と思えるかどうかが重要なのでしょう。男性も女性も、どうしても自分と同じような思考回路をしてくれると期待してしまいますが、それを止めるだけでストレスは大きく減るんですね。
本書では、そんな内容が脳の働きの分析などから説明されます。しかし、久々に読み返してみると、実験や調査のソースが提示されていなかったりするため、学術的なものというよりも、読み物として考えるべきなんでしょうね。ベストセラーになるのも納得できる面白い読み物だと思います。
また、この続編にあたる『文庫版 嘘つき男と泣き虫女』という本も登場しているとか。こちらは私はまだ未読なので、手に入れておきたいと思います。