乙女の日本史
スキャンダルや男色。オッサン目線ではなく女子の乙女的な目線で歴史を捉え直した快作!
従来のオッサン目線の歴史解釈(=おじさん史観)ではなく、女子的な目線で歴史を捉え直し、シリーズ化されるほどのヒット作となった作品です。日本の歴史上に登場した、または裏で糸を引いていた女性たちにスポットライトを当て、男色的な関係も掘り起こし、気軽に楽しく読める内容でした。
説明文:「さよなら「おじさん史観」! 今こそ語ろう、乙女目線の日本史
●日本はもともと肉食女子×草食男子の国
●徹底的に「勝ち組女」――北条政子
●上杉謙信「女性説」を検証する!
●「婚期を逃した女」のいばら道――茶々
●今こそきちんと知りたい「男色の日本史」
●「不思議ちゃん」の愛されレッスン――坂本龍馬
●「男装の麗人」のセクシュアリティ――川島芳子
……などなど、巷にあふれる「男のための日本史」にツッコミいれつつ乙女目線で日本の歴史を読み直す、日本初「女子のための日本史本」誕生! 」
日本史を乙女目線で読みなおすと聞くと、単なるスキャンダル史になりそうなイメージですが、決してそれだけではありません。イケメン・男色・夜這い・大奥・花魁・鹿鳴館など、それっぽいキーワードは並びますし、その当時の性事情などについての言及もありますが、単なる下世話とは違い、ちゃんと読み物としても面白いんですよね。
例えば、明治維新の頃から、次第に女性は表舞台からは遠ざけられるような存在とされてしまいますが、それ以前も(完全に同権とは言わないまでも)決して男性よりも下に見られていたわけではないことが解説されています。こうした女性史的な視点が感じられるこそ、とても面白い読み物になっているのでしょう。
まぁ、やや乱暴で誤解を招きそうな表現も多いですし、そんな部分をひっくるめても、楽しく読める内容でした。歴女の方や、これまでのオッサン目線の歴史に興味が持てなかった方には最適ですし、私と同様のオッサン世代から見ても十分に楽しめるでしょう。
同じシリーズの、「乙女の日本史 文学編」「乙女の美術史 日本編」あたりも興味がありますので、ぜひこちらも読んでみたいと思います!