私は利休 1 (ヤングジャンプコミックス)
千利休の生まれ変わりを主人公にした茶道コミック。ファンタジー風味で読みやすいです
戦国時代に生きた茶人・千利休の生まれ変わりらしき、冴えない青年を主人公にした「茶道」がテーマのコミックス。現在発売されている3巻までを読了しました(連載は続いています)。知人から面白いというお勧めの言葉があったので読み始めましたが、確かにこんな渋いテーマを扱いながら、テンポも良くて読みやすく飽きさせません。よく出来た作品ですね。
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説明文:「凡な日常に不満を抱きながら過ごすOL雪吹なつめは、どこにでもいる普通の女子。ある日、偶然出逢ったイケメン茶人・山上宗刻に導かれて茶道教室を覗くことに。冴えない同僚田中芳郎(黒ピー)を誘った彼女。そこに待っていた驚きの“世界"とは…!!?」
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1巻だけ読んだ時点では、お気楽OLと普段は頼りなさげだけど実は…系の男子の、美味しんぼ的なお話かと思ったのですが、お茶の師匠にあたる現代の茶人「山上宗刻」、ネットバブルの風雲児で茶道具を買い漁る「織田三郎」、そして松永、古田・高山など、次々とゆかりの人物が登場して、ファンタジー色を強めていくと、一気にストーリーが活き活きしてきます。
史実をベースにして、これからどんなストーリー展開になっていくのか楽しみです。『へうげもの』ファンの方が読むと、同じ茶の湯を題材にしながらも、意外な方向からのアプローチっぷりで驚かれるでしょう!
また、茶道の基本的な解説や、現代の茶会の様子の描写などもあり、それも興味深いですね。現代の茶道の世界がやや辛口の描かれ方をしています。監修を務めていらっしゃる、芳心会「木村宗慎さん」の名前に聞き覚えがあると思ったら、以前読んだ『利休入門 (とんぼの本)』で、「利休の逸話はそのほとんどが作り話です。」と一刀両断にしていた方でした(笑)
ややこしく思われがちな茶道の世界を、ファンタジー色も交えて読みやすく扱っていますので、ぜひ気軽に手に取ってみてください!