
ひみつの植物
虫を食べる草、巨大なハスの葉など、図鑑的な不思議な植物を栽培・紹介する一冊
農学博士でファンタジーノベルの作家さんでもある筆者が、不思議な珍品植物を紹介していく一冊。幼いころに「植物図鑑」を愛読し、世界一大きな花ラフレシアや、子どもが乗っても沈まないオオオニバス、食虫植物や脱皮する植物(リトープスやコノフィツムなど)に胸をときめかせた経験のある方(もちろん私もです!)にとっては、とても楽しい内容になっています。
説明文:「ピンクのたんぽぽ、虫を食べる草、杖になるキャベツ、脱皮する石ころそっくりの多肉植物、真っ赤なヒマワリ。子供が乗っても沈まないハスの葉。この地球上のどこかに、あっと驚くような植物が生えている。欲しい。育ててみたい。農学博士、ファンタジーノベル作家、本職は植物育種家!?こんな人が、愛とうんちくをこめて、珍品をご紹介します。」
この手の本では、サボテンや食虫植物などがメインになりがちですが、本書は色んなタイプの面白い植物を紹介しています。
●「色変わり」の植物(タンポポ、チューリップ、ケシ、オシロイバナ、ヒマワリなど)
●「食べられる」変わり者の植物(珊瑚礁カリフラワー、アーティーチョーク、モチとうもろこしなど)
●「巨大な」植物(オオオニバス、巨大なマリーゴールド、巨大カボチャなど)
色んな変わり者があるんだと感心するだけではなく、実際に種や苗も入手できて栽培できるというのがすごいですね。巨大な池と立派な設備があれば、日本でも人間が乗れるサイズのオオオニバスが育てられるかと思うと、まるで植物図鑑の中の空想のようです(笑)
そんな変わった植物たちですが、筆者は実際に育てているものも多いというのですからさすがですね。写真と読みやすいテキストで構成されていますので、植物好きな方であれば気軽に楽しめる内容になっています。
なお、本書は紹介した珍しい植物たちを購入できるサイトや情報サイトが掲載してある点も特徴なのですが、出版が2005年とやや古いため、どこまでその情報が生きているのかは不明です。タキイ種苗やサカタのタネなどでも購入できるものも多いので、よほどレア物に手を出さなければ入手可能だと思います。
なお、完全な余談ですが、この本に掲載されていた情報で「奈良多肉植物研究会」という有名な団体が存在していて、今でも希少種の通販などを行なっていることを知りました!すごいw