2013-02-05

盆栽 癒しの小宇宙 (とんぼの本)

難しいイメージの盆栽。その見方や歴史がまとめてあり、盆栽デビューしたくなります

初心者にも分かりやすく盆栽の魅力を教えてくれる一冊。新潮社のとんぼの本シリーズの一冊で、発売は2003年とやや古めですが、今でも十分に楽しめます。本書で扱うのは、盆栽の定義・鑑賞法・歴史などです。生育方法などを解説したものではありません。


説明文:「盆栽こそ今や私たちの新しいパートナー。じじむさくも時代遅れでもなく、日々の暮しを見守ってくれるもの。この美しい世界を自由に楽しむための一歩!」

盆栽とは、もともと日本で生まれたものだと思われがちですが、実は中国の「盆景」が発祥で、平安時代ごろに日本へ入ってきたと考えられているそうです。また、盆栽の分類は、松柏(松と真拍)があり、それ以外はすべて「雑木」とされるのだとか。梅も竹も楓もすべて雑木扱いなんですから、ちょっと意外ですね。

イメージ的に、盆栽のスタンダードといえば松ですが、それに並ぶ存在なのが「真拍(しんぱく。イブキの仲間であるミヤマビャクシンの変種)」というもので、幹は横に曲がって成長することが多いため尊ばれているのだとか。私は全く知りませんでしたが、この真拍の名産地として知られているのが、私の故郷の新潟県糸魚川市で、「糸魚川シンパク」とブランド化しているそうです。またひとつ故郷の自慢が見つかって、ちょっと嬉しかったですね(笑)

そんな歴史や豆知識ばかりではなく、良い盆栽を見分けるポイントや、嫌われる形なども解説されていますので、初心者にも分かりやすいです。

それ以前に、美しい写真が多数掲載されていますので、それを見ているだけで楽しいですね。盆栽というと、格調が高すぎて気軽に楽しむようなものではないイメージですが、女性の盆栽作家さんも増えているようで、日常生活で身近に置いておけるカジュアルな作品も多数紹介されています。自分で育てるにはやや難しい面もあると思いますが、育てやすいものから少しずつ生活に取り入れて行きたいですね。

古い本ですから、Amazonの中古などでしか手に入らないかもしれませんが、とんぼの本シリーズらしく丁寧に作った素敵な内容ですので、興味のある方はぜひ!


『<$MTEntryTitle$>』より

『<$MTEntryTitle$>』より

『<$MTEntryTitle$>』より


【盆栽 癒しの小宇宙 (とんぼの本)】の関連記事

  • 『プラントハンター 命を懸けて花を追う (徳間文庫カレッジ)』~世界の希少植物の取引を行う西畠清順さんのご著書。ワクワクしながら一気読みしました!~
  • 『神の木―いける・たずねる (とんぼの本)』~椿・樟・槙・杉など、12種類の木の性質や日本人との関わり方を論じた、興味深い一冊~
  • 『インドアグリーン・ライフ』~身近に植物のある生活のための参考書。飾り方・歴史・育て方。トータル提案が楽しい!~
  • 『ひみつの植物』~虫を食べる草、巨大なハスの葉など、図鑑的な不思議な植物を栽培・紹介する一冊~
  • 『マジカルプランツ 食虫植物・多肉植物・ティランジアをおしゃれに楽しむ』~食虫植物・多肉植物・エアプランツの育て方から豆知識まで。楽しく役立つ一冊です~
  • 『多肉植物図鑑』~不思議で可愛い「多肉植物&サボテン」の美しい図鑑。眺めているだけで癒されます~
  • 『盆栽 癒しの小宇宙 (とんぼの本)』~難しいイメージの盆栽。その見方や歴史がまとめてあり、盆栽デビューしたくなります~
  • 『ミドリノオバサン』~カリフォルニア在住詩人の室内園芸エッセイ。緑を世話して増やすだけなのに憧れます!~
  • 『自己流園芸ベランダ派』~ベランダでの「植物生活」エッセイ第二弾。植物との日々の出会いと別れを淡々と~
  • 『ボタニカル・ライフ―植物生活 (新潮文庫)』~都会のマンションでの「植物生活」エッセイ。読後は必ず鉢植えが欲しくなりますよ!~
  • 『園芸家12カ月 (中公文庫)』~園芸家の生態とは?春になるたびに読み返したくなります~


  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ