仏像ワンダーランド鎌倉 東京 (JTBのムック)
人気の仏像ムック本シリーズ第三弾は鎌倉・東京。見せ方が上手い、楽しめる一冊です
個人的に大好きな仏像ムック本。これまでに『奈良』編、『京都・滋賀』編(紹介記事)と続いて、第三弾でついに関東の鎌倉・東京が登場しました。
説明文:「2013年夏、ユネスコ世界遺産への登録が期待される「古都鎌倉の寺院寺社」。 首都圏から日帰りで行ける鎌倉の魅力あふれる仏像を中心に、東京都内の知られざる社寺やミュージアムの仏像も紹介。山下裕二氏(明治学院大学文学部芸術学科教授)のコメントを織り交ぜながら、楽しくガイドする。仏像の見方や時代別の特徴など、仏像初心者にも分かりやすいコラムも充実! 「仏像ワンダーランド」は、奈良、京都滋賀版も好評発売中。」
2013年の夏、鎌倉は世界遺産登録の期待がかかるだけに、このタイミングでの出版になったようです。次はきっと東北だと思って、勝手に期待しています!
私自身、昨年に関東の仏像ファンの友人たちと鎌倉のお寺へお参りして、改めてその素晴らしさに驚いたばかりだったので、今回もとても楽しく拝見しました。関西在住の人間にとってはなかなかお会いしづらい仏さまばかりですが、鎌倉や伊豆、そして都内にもたくさんの美しい仏さまはいらっしゃいます。表紙にもなっている、東慶寺の水月観音菩薩半跏像などは、たおやかで美しいですね。
ただ、初心者さんにも分かりやすいガイドブック的な作りですから仕方ないのですが、個人的には鎌倉仏にしか使われなかった技法「土紋(どもん)」(粘土や漆などを混ぜて型抜きし、文様を立体表現する装飾方法)について、もっと注目してあげて欲しい…とは思いました。他では見られない貴重な技法で、間近に拝見したらかなり感動しましたからね!
そんなことを思ったりしましたが、以前も書きましたが、このシリーズの最大の魅力である、美しい画像と美しいレイアウトはそのまま活かされています。画像点数を絞り込んで、大きめの迫力のある誌面にしてあるため、ページをめくっていて楽しいですね。その分、掲載されている仏さまの数は限りがありますが、入門書としては最適でしょう。都内の仏さまも多数掲載されていますので、関東方面の方はぜひ手にとってみてください!