
巨大仏巡礼
情報充実・オールカラー160ページ・お値段お手頃。大仏を紹介する本の決定版でしょう!
「大仏ハンター」を名乗り、珍スポット系の仕事も多いライターさんによる、日本全国の大仏紹介本。大仏の全体像の紹介などに加え、その周辺の建物や小物なども丹念に紹介されています。
大判でオールカラー160ページなのに、お値段は「1,300円」(税別)というのですから、大仏本の決定版といえる存在かもしれません!
説明文:「“大仏ハンター”が集めた日本全国の巨大仏・秘仏65仏を収録。」
●其の壱「超高層建築仏」 牛久大仏・仙台大観音・高崎白衣大観音・東京湾観音・親鸞聖人像・駒込大観音など
●其の弐「巨大坐像仏」 越前大仏・東京大仏・岐阜大仏・聚楽園大仏・布袋の大仏・平成大仏・日本寺大仏など
●其の参「個性派巨大仏」 涅槃大仏・聖徳太子像・ハニベ巌窟院・登別からくり閻魔・空滝大不動・浪切不動明王・あかがね薬師如来・壷坂寺・阿吽だるまなど
●其の四「秘境大仏」 白馬大仏・袈裟丸山釈迦涅槃像・井川大仏・三浦大仏など
●其の五「巨大弘法大師列伝」 新潟大弘法・子安大師像・春日井大弘法など(※「コンクリート像作家・浅野祥雲作品集」も)
他の本ではあまり見られない越前大仏が載っていたり、観たことも聞いたこともなかった秘境の大きな仏さまがあったり、さすがの充実度です。
それぞれ、詳しい住所などは掲載されていませんが、どうせネットを併用して調べるのですから、そういう情報を省いて一点でも多く画像を掲載する、というスタイルは正しいのかもしれません。
途中にはさまれるコラムコーナーも面白くて、牛久大仏を空撮する「巨大仏を空から見てみよう」、現在も巨大な仏像の制作なども手がける「翠雲堂・松戸工場見学」、大仏好きなアナウンサー(小林悠さん)との対談など、とても読み応えがありました。
対談の中で出ていた「大仏はご当地密着型アイドル的な感じ」という意見も面白いですね。富山県射水市の「新湊弁財天」は、地元の産業であるアルミで作られていたり、名古屋市の「聚楽園大仏」は、大きな鉄工所がありながらコンクリート製のため、わざわざ錆びた鉄の色に塗られていたり。大仏は現代も新たに作られ続けている仏像だけに、こうした傾向もあるのだとか。
かなり充実の内容ですので、興味のある方はぜひ!