
巨大仏!!
日常生活に溶けこむように存在する巨大仏の写真集。圧倒的な大きさと非日常感が面白い!
2010年に発売された、日本全国に存在する「大仏」の写真集。日常生活の中に溶けこむように、しかし圧倒的な非日常感を漂わせながら存在している大仏たちを、その周辺の風景とともに写しています。あまりの巨大さで、(失礼ながら)怪獣のような、またはウルトラマンのような、不思議な光景が観られます。
ちなみに、筆者は売れっ子の放送作家さん(内P・アメトーーク・さまさまなど)で、大船観音(25m)を観て衝撃を受けたことから、全国の大仏めぐりを始めたのだとか。
説明文:「ウルトラマンやゴジラよりもデカい巨大仏が一同に集結! 鎌倉大仏が手の平に乗る最大120mの巨大仏が放つ“違和感”を追い求め、珍奇な構図で撮り続けた28体。世界初の巨大仏写真集!!」
本書で掲載されているのは、牛久大仏・仙台大観音・篠栗南蔵院釈迦涅槃像・淡路島世界平和大観音・加賀大観音・久留米大観音・親鸞上人大立像・会津慈母大観音・高崎白衣大観音・東京湾観音など、見開きページに大きな写真を用いて16の大仏を紹介しています(さらに、写真1枚ずつ程度で12の大仏も登場)。
こうした巨大仏に関しては、『晴れた日は巨大仏を見に』『大仏をめぐろう』などの書籍が出ており、その魅力を「ぬっと現れる」ことだとしていたりします。奈良の大仏さまなどとは違い、山の森林の間から、真っ白い姿が見えたりすると、違和感と非日常感がすごいんですよね。
本書に掲載される写真は、日常生活の中に溶けこむように存在している大仏たちを捉えています。はるか遠くの丘の向こう、普通の民家の屋根越し、直線道路の先、海沿いのカーブを曲がった先など。ちょっとした悪夢感すら漂い、現代の日本とは思えないような不思議な歪みが感じられます。
こうした写真は、気候条件や時間帯によって上手く撮れなかったりしますから、撮影も大変だったとか。何気ないアングルのように思えて気軽にページをめくってしまいますが、どれもちょっとした劇的な瞬間ですね。とても楽しい内容でした!