日本の銅像
日本各地の銅像の236点を収録した写真集。多種多様です
日本各地にある「銅像」の写真集。筆者が撮影した600点の銅像の中から、全国的に有名・彫像として優れている・風景にマッチしている・古いものは掲載するなどの基準により、236点をセレクトしたそうです。
普段はあまり意識したことない銅像という造形物ですが、改めて注目してみると、色んな方のものがあるんですね。モデルになった方や、銅像が建てられた場所によっても雰囲気は変わります。拓けた駅前ロータリーにポツリと立っているように見えたり、力強く睨みをきかせているように見えたり。この本では、人物の時代別に掲載されているのも面白かったです。
また、意外な場所がゆかりの地であることが分かったりするのも面白いです。天誅組の変で大和五條で挙兵・討ち死にした吉村寅太郎は、高知に銅像が建てられているのだとか。私はこの時代の知識が浅いので、ちょっと意外な感じがして面白かったです。
●作られ始めたのは明治以降。当初は日本に西洋的な彫像ができる人材はおらず、仏師などが木製のものを作っていた。
●銅像の嚆矢とされるのは、金沢兼六園にある「日本武尊像」。1880年に設置された、像高5mを超える巨像
●戦前の最盛期には、日本国内に1,000体前後もの銅像があったが、戦時下の金属供出などによって、数十体しか残らなかった
●戦後の復興に合わせるように、また銅像は増え、現在では3,000体前後になったとも
●筆者が把握している限りでは、銅像になった回数の多い方というのは、松尾芭蕉・明治天皇・太田道灌・西郷隆盛・神武天皇・楠木正成の順番だとか
日本全国の様々な銅像が掲載されていますので、見たことがあるものを探すだけでも面白いですね。つい先日行ったばかりの上野公園の西郷隆盛・小松宮彰仁親王・野口英世や、故郷(新潟)の上杉謙信・レルヒ少佐・良寛、奈良県吉野町の役行者、大阪証券取引所前の五代友厚などなど。銅像の世界は意外と楽しそうです。