
これだけは見ておきたい 日本の産業遺産図鑑
全国の満遍なくセレクトした近代化遺産探訪ガイド。読みやすくシンプル。手始めに最適です
「富岡製糸場と絹産業遺産群」「九州・山口の近代化産業遺産群」と、世界遺産の話題が続き、日本の近代の産業遺産が注目を浴びています。
本書は、そんな物件の調査にも関わっている筆者による、全国の近代化遺産探訪ガイドです。各施設を見開き2ページづつ(1ページのものも)紹介。できる限り全国から満遍なく掲載し、道路から見えないもの、軍事関連のものは除外してセレクトしているとか。
この手の本は何冊も読んでいますが、まだまだ知らない施設があるものですね。行ってみたいリストがまた充実しました!
説明文:「ものづくり日本を支えた、強くて美しい「かたち」。いま見ておくべき全国の遺産を、美しいカラー写真とわかりやすい解説で地方ごとに紹介する決定版。」
掲載されているのは、北海道から沖縄までの74の近代の産業遺産です。軍艦島のような有名なものから、初めて名前を聞いたようなものまであり、とても楽しく読めました。
あまり難しい専門用語は使用されていませんし、写真と短めのテキストで解説していくため、この本だけで完結するのではなく、さらに調べていくための取っ掛かりとしてちょうどいい感じです。
残念ながら、奈良のものは一つも選ばれておらず、関西エリアからは、近鉄宇治山田駅本屋・宇治川電気志津川発電所・琵琶湖疏水・梅小路蒸気機関車庫・長浜鉄道スクエア(長浜駅舎)・南海電気鉄道南海本線駅舎・生野銀山と鋳鉄橋が掲載されていました。
「南海電気鉄道南海本線駅舎」として紹介されている堺市の浜寺公園駅の駅舎は、奈良ホテルなども手がけた辰野金吾の設計だとか。レンガ造りを得意とした方ですが、こちらは木造の小さく華奢な雰囲気の駅舎です。近いですし、ぜひ観に行きたいですね!
また、なかなか行けない位置にあったりしますが、気になったものだけメモ的に。
●北海道稚内市「稚内水陸連絡設備防波庇(北防波堤ドーム)」。乗船用の桟橋にかけられた、古代ギリシア神殿のような波よけの庇
●栃木県野木町「旧下野煉火製造会社煉瓦窯」。モンゴル式テントのような円形の建物で、煉瓦を焼くための「ホフマン式輪窯」というもの
●静岡県静岡市「清水港テルファー」。屋外に設置された荷揚げ用のクレーンの設備。ジェットコースターのような鉄骨がむき出しになっている
近代化遺産というと、どうしても建物に目が行きがちですが、こんな構造物が今なお残っているのも面白いですね。
気軽に読める内容ですので、お好きな方はどうぞ。





































