2014-11-02

藤森照信×山口晃 日本建築集中講義

建築探偵×気鋭の画家が、日本全国の名建築を見て歩いた記録。行きたい建物がいっぱい!

近代建築がご専門の「建築探偵」こと藤森照信さんと、気鋭の画家・山口晃さんが、日本全国の名建築を見て歩いた記録。和のある暮らしをテーマにした雑誌「なごみ」連載記事をまとめたものだとか。

私が大好きなお二方がコンビを組んで、私が大好きな日本建築を見て周るんですから、楽しくならないはずがありません!不満が無いわけではありませんが、最後まで楽しく一気に読了しました。


説明文:「先生役に路上観察的視点をもつ建築家・藤森照信氏、聞き手兼ツッコミ役に気鋭の画家・山口晃氏。その二人が、「集中講義」の名のもとに日本各地の名建築を見学し、発見や建築の魅力を語り合います。建築の魅力はもちろん、見学のさなかの珍道中や二人の愉快な妄想など、対談と山口画伯のエッセイ漫画とでたっぷり伝えます。時に大マジメに、時にユーモアたっぷりに、教養と雑談を交じえつつ繰り広げられる二人の掛け合いはまさに「爆笑講義」。寺社、茶室、城、住宅……知っているようで知らない日本の伝統建築の魅力を、二人の独特の視点から再発見! 」


本書で登場した建築物は、法隆寺・日吉大社・旧岩崎家住宅・投入堂・聴竹居・待庵・修学院離宮・旧閑屋学校・箱木千年家・角屋・松本城・三渓園・西本願寺。日本全国、さまざまなタイプの建築物が登場し、バラエティに富んでいます。

ここをお二方で見学し、後から対談形式で記事をまとめていますが、上手く編集されていることもあって、会話が軽妙で面白いんですね。せっかちで舌鋒鋭い藤森センセイと、それに振り回されがちな山口画伯の素晴らしいコンビネーションです。

また、山口画伯の挿絵もお見事です!4コマ漫画風に現場の様子を描写していたりしますが、どれも早描きで仕上げているはずなのに、アングルを少しずたしたりして、味のある絵になっています。シンプルな挿絵を見て「誰でも書けそう」なんて表現をしたりしますが、これは絶対に誰にでも描けるものではないということがはっきりと分かるような作風ですね。

会話の内容としては、とても分かりやすいレベルです。建築に興味がある方であれば、十分に理解できるでしょう。

ただし、一つだけ残念なのが、ある特定の建物について語っている割には、その姿が分かる画像が少ないこと。興味深い指摘があったとしても、それが写真で確認できないのは大きなストレスです。これは編集段階で何とかなったと思うだけに残念ですね。

その点に目をつぶれば、とても楽しい内容でした。世の中には色んなタイプの名建築が遺されていますから、今すぐにでも巡ってみたくなりました!



【藤森照信×山口晃 日本建築集中講義】の関連記事

  • 『住み継ぐ―藤岡建築研究室の改修・再生と新築―』~町家の改修・再生の10軒の実例。古材を活かした「住み継ぐ」価値のある家の美しさは感動的です~
  • 『図解 ここが見どころ! 古建築』~古建築の見どころを実例を挙げて細部まで解説。これは分かりやすい!~
  • 『日本の最も美しい名建築』~近代名建築を集めた大型本。宮殿風・赤レンガ・擬洋風など、美しさにため息が出ます~
  • 『これだけは見ておきたい 日本の産業遺産図鑑』~全国の満遍なくセレクトした近代化遺産探訪ガイド。読みやすくシンプル。手始めに最適です~
  • 『日本木造遺産 千年の建築を旅する』~美しい木造建築物が続々と。大判で写真も美しく、藤森照信氏の解説もさすが。良書です!~
  • 『ヴォーリズ建築の100年―恵みの居場所をつくる』~近代建築家ヴォーリズの作品をまとめた一冊。教会建築から大丸大阪心斎橋店まで多彩です!~
  • 『岩崎平太郎の仕事: 近代・奈良の建築家』~吉野出身の近代建築家・岩崎平太郎の仕事をまとめた一冊。吉野駅・畝傍高校などが残ります~
  • 『藤森照信×山口晃 日本建築集中講義』~建築探偵×気鋭の画家が、日本全国の名建築を見て歩いた記録。行きたい建物がいっぱい!~
  • 『失われた近代建築 I 都市施設編』~すでに取り壊されてしまった美しい近代建築の写真集。「奈良県庁舎」とか惜しかった…~
  • 『東京R不動産』~ユニークな物件のみを紹介する不動産屋の本。改装可能・レトロなど、どれも魅力的です!~
  • 『看板建築・モダンビル・レトロアパート』~全国の看板・商店建築など、レトロ建築300件以上を掲載した写真集。たまらない一冊です!~






  • Twitterでフォローする
  • Facebookページを見る
  • Instagramを見る
  • ブログ記事の一覧を見る







メニューを表示
ページトップへ