ぶっしのぶっしん 鎌倉半分仏師録(1) (ガンガンコミックスONLINE)
時は鎌倉。半分人間・半分仏の少年仏師が仏像を操り戦うスペクタクル仏像絵巻。面白い!
鎌倉時代、仏像を操る能力がある少年仏師が、平家の残党たちが差し向けた敵方から奈良の都を守る、という不思議なコミック作品。『隠の王』などの著者・鎌谷悠希さんの最新作で、発売中の1巻だけ読了しました。「仏像を動かして戦う」となると、かなり不謹慎にも思えますが、設定もちゃんとしていて、かなり面白いです!
説明文:「半分人間、半分御仏。時は鎌倉時代。半身を失いし、少年仏師・想。彼には、神仏を喚び、ともに闘う“力"があった――。東大寺を突如襲う異変を前に、想は己に眠る“力"の解放を迫られる…。時代が、仏師たちが、仏像たちが、いま動き出す!! 「隠の王」の鎌谷悠希が放つ、かつてないスペクタクル仏像絵巻。待望の最新作、第一巻いよいよお目見え! 」
作品は鎌倉時代の設定で、源平の合戦で焼失してしまった東大寺の大仏の開眼供養のシーンも登場。大仏師・運慶を筆頭に、その息子や弟子たち、慶派仏師がみな登場したり(しかもすごい能力を持っていたりします!)と、仏像好きならニヤリとしてしまう設定も盛り込まれています。
主人公・想(そう)は、平泉での戦闘の際に、身体の半分をミズチにやられ、自分が彫った明星菩薩と半身ずつ合体してしまいます。身体に仏が宿ったことから、以前から持っていた力がますます増し、仏界(仏の世界)と霊道を結び、そこから仏力を得て仏像を動かせるようになります。
……と説明しても、しっかり伝わるかどうかは分かりませんが、鎌倉の時代感、仏師たちの表情などもしっかりと描かれていますし、絵もとてもきれいで見やすいです。慶派仏師たちが手がけた、東大寺・大仏殿の幻の四天王像(後に焼失して現存していません)なども登場し、仏像好きにはたまりませんね。
今後の展開が楽しみな作品ですので、ぜひ手にとってみてください!
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