
2014-09-05
暗黒神話 (集英社文庫―コミック版)
伝奇漫画の巨匠・諸星大二郎さんの、古代神話モチーフの作品。土着のうす暗い雰囲気がいい!
伝奇漫画を描き続けている巨匠・諸星大二郎さんが、1976年に発表した、日本の古代神話をモチーフにした、日本土着のうす暗い雰囲気が全編に漂うマニアックな作品です。この方の漫画は何作が読んでいますが、これも面白いですね!
つい最近、「別冊太陽 太陽の地図帖」シリーズとして、作者がこの漫画の舞台となった土地を訪ね歩く『諸星大二郎: 『暗黒神話』と古代史の旅』という本が発売されました。こんなマニアックな漫画を、今さら大々的に扱うのもすごいです!編集部の方、思い切りましたね。
ちなみに、この作品は、1976年に週刊少年ジャンプで連載されていたとか。とてもジャンプの誌面を飾っていたとは思えない内容で、すごい時代だったんだと驚くばかりです(笑)
説明文:「武を脅かす、蛇形の肩の傷―。それはまぎれもなく、全宇宙を動かす権利と力を受ける者“選ばれた者"の聖痕だった。謎の老人・竹内に導かれ、出雲をめざす武を待ち受けていた運命とは…! ? 表題作他「徐福伝説」を収録。」
絵のタッチもストーリー展開も、さすがに古臭さは感じるものの、壮大なお話がちゃんと一点に向かって収束していくのはさすがです。細かい内容は明かしませんが、古代や日本神話がお好きな方であれば、とても楽しめると思います。
残念なのは、文庫本一冊で収まってしまうほど、短くまとまっていることです。このストーリーでしたら、もっともっと丁寧に描いて大作とすることも可能だったでしょう。短い分だけ読みやすくなっていますので、興味のある方はぜひ!
合わせて『別冊太陽 太陽の地図帖 諸星大二郎: 『暗黒神話』と古代史の旅』も読んでみたいと思います。