ポーの一族 I 萩尾望都Perfect Selection 6
永遠に少年の姿で生き続けるバンパネラを描いた懐かしの少女漫画。今読んでも面白い!
萩尾望都(はぎおもと)さんによる少女漫画作品『ポーの一族』(Wikipedia)。最初の作品が発表されたのが1972年で、永遠に少年の姿で生き続けるバンパネラ(吸血鬼)エドガーを主人公として、当時の少女漫画としてはかなり異質なテイストで人気を博した作品です。
その昔、私は少女漫画とはほとんど接点はありませんでしたが、この作品だけは大好きでした(確かSF雜誌にオススメ作品として紹介されていたのだと思います)。久々に読み返してみましたが、その不思議な魅力はまったく色あせていません。
ストーリーについて詳しくは語りませんが、18世紀の貴族社会から現代まで、時間が交錯します。主人公は永遠に少年の姿ですが、周りを取り巻く人間たちは次々に代替わりしていきますし、オムニバス形式で時間が前後して語られたりするため、やや流れが把握しづらい部分もあります。
しかし、連載前半のいかにも1970年代の少女漫画らしい、美少年を描く耽美な世界観もいいですし、後半のバンパネラに関わった者の子孫たちがその正体を探るくだりも面白いです。誰にでもお勧めできる作品とは言えませんが、大の大人が読んでも十分に楽しめる名作であることは間違いありませんね。
なお、今回は図書館にあった「萩尾望都Perfect Selection」という全集のものを借りてきて読みました。ポーの一族は『ポーの一族 II 萩尾望都Perfect Selection 7』との2巻で完結していて、その他には『トーマの心臓』などもラインナップされています。このシリーズはサイズが大きめのため、老眼が入ってきた私にもとても読みやすかったです(1冊あたりかなり重量がありますが)。
文庫本サイズの『ポーの一族 全巻セット (小学館文庫)』(3巻セットで完結)は、もっとリーズナブルに手に入るようですから、興味のある方はぜひ!