悩んだときは山に行け! 女子のための登山入門
山登りがテーマのコミックエッセイ。初心者女性には読みやすく、とても共感できるでしょう
山登りをテーマにしたコミックエッセイを発表している、鈴木みきさんのご著書。山に登り始めたきっかけなどから、必要な道具の紹介など、初心者女性にも読みやすく、共感しやすい入門書になっています。
以前に『ひとり登山へようこそ!-女子のための登山入門』(書評)などを読んでいますが、この本ではそのルーツというべきややシリアスな事情も解説されていて、それも興味深かったです。
説明文:「山で人生が変わったイラストレーターによる、本邦初の女子のための登山コミックエッセイ。山登りの喜びと、すぐに使える登山のノウハウを笑えて使えるコミックで紹介します。」
現在でこそ、イラストレーターや山に関する著作を発表している作者ですが、そこに至るまでの道のりは、なかなか綱渡りでした。幼いころから運動も苦手で成績も普通、現実逃避ばかりしていた少女だったとか。専門学校を卒業してフリーターになり、何故かいきなり古着屋を始めたり、急に海外へ留学してみたり。しかし、年をとるにつれて手元に何も遺されていないことに気づきます。
留学中に登った山での感動を忘れられず、山に近づくために山小屋のバイトを始め、山雑誌の読者モデルへ応募。すでに三十路手前でしたが、無事に採用され、そこから人生が変わっていきます。
……という回想部分から、山へのめり込んでいく部分まで、サラッと読ませてくれます。決して上手いイラストではありませんし、コミックエッセイですからあっという間に読み終えてしまいますが、山の楽しさがストレートに伝わってくるのがいいですね。簡単な装備や食事など、初心者向けの情報も掲載されています。
誰にでもおすすめ出来るような内容ではありませんが、「最近あまり面白いこともないし、ちょっと山もいいかも。」くらいの女性はぜひ!素直に影響されてみれば、人生が変わるかもしれませんよ!