
世界のマラソンベスト50
世界中のさまざまな角度から選んだベスト50のマラソン大会を紹介した一冊。世界は広い!
世界中で開催されているマラソン大会について、さまざまな角度から選んだベスト50を紹介した一冊。歴史ある町並み、広大な大自然、酷暑や吹雪、平坦な市街地コース、アップダウンが激しい山岳コースなど、世界には色んな大会があるんですね。
写真も大きめのビジュアルブックなので、気軽に読めますし、参加方法なども簡単に示してありますので、実用(?)にも耐えるかもしれません。
説明文:「東京マラソンをはじめとするメジャーな大会から、世界一高地で行われるキリマンジャロ・マラソン、中国の万里の長城マラソン、猛烈な暑さの中行われるジャマイカのレゲエ・マラソン、そして極寒の北極の地で行われるマラソン等々、世界のマラソン大会ベスト50を取り上げた、究極のマラソンガイドブック。レースの難易度から景観の説明、開催日時、参加方法、トレーニングのヒント、そして開催地での過ごし方など、役立つ情報が満載。一風変わった旅行ガイドとしても楽しめる、見るだけでも楽しいビジュアルブック。」
マラソン大会というと、どれも似たようなものだと思いがちですが、こうした本に取り上げられるような人気の大会ともなると、それぞれちゃんと個性があるんですね。歴史的な風景の中を走れたり、普段は立ち入りが禁じられている自然保護区をコースにするなど、それぞれの特色を活かした運営が行われています。
平地であれば、ベストタイムが狙いやすい高速レース化したり、目標タイムごとにペースメーカーを何人も走らせたりと、ランナーたちのニーズに応える方法もあるのだとか。日本でもマラソン大会は増えていますが、初心者が完走しやすいようなサポートを付けるなど色んなアイディアを取り入れて欲しいですね。
私の地本の奈良でも、数年前から大会が開催されるようになりましたが、こうして見比べてみると、さらに人気レースとなるだけのポテンシャルは秘めているといえるでしょう。そんなことを思いながら、楽しく読めました。
マラソン大会の歴史などにも触れられていて、それもとても興味深いです。大規模な都市型大会の魁となった「ニューヨークシティマラソン」は、ちょっとした勘違いで今の形になっていたり、この大会に感激した参加者が世界各地でマラソン大会を企画していったり。
余談ですが、「心臓破りの丘」という言葉の発祥は、ボストン・マラソン。「また上り坂か……」とランナーが意気消沈したという意味ではないのだそうです。ある大会中、2位だった選手がトップを抜き去る際に慰めるように肩を叩いたところ、抜かれた選手が発奮して優勝したそうです。これを地元記者が「(肩を叩いた選手の)心臓を破った」と表現したことは始まりだと言います。
世界の大会へ参加するつもりがない私でも、ちょっとした旅行気分で楽しく読めましたので、興味がある方はぜひ!